2020年6月27日土曜日

陰性証明は無意味

 中国の首都・北京市の食品卸売市場で集団感染が発生した。感染拡大を封じ込めようと北京市は、市場関係者らの市外への移動を禁止し、市民が市外へ出る場合にはPCR検査を受けて陰性証明を取得し、それを持ち歩くように義務づけた。また、北京を訪問する人には、PCR検査を受けることと一定期間の隔離を義務化した。

 中国はPCR検査の検査体制を強化し、1日当たりの検査能力が378万件になったと保険当局。3月初めは126万件/日だったというから、3倍になった(累計の検査実績は9041万件=6月22日まで)。検査体制を強化したのは、より多くの感染者を見つけだすためだ。例えるなら、PCR検査という“網”を大きくして、網に引っかかる人々を感染者として隔離することで感染拡大を阻止する。

 社会という“海”は広大だから、PCR検査という網で全ての感染者をすくい取るためには、巨大な網が必要になる。どこかで常に感染が発生していると見るなら、PCR検査という網を社会という海に投入することも常に行う必要がある。北京市は市内に複数の臨時の検査場を設置して既に230万人にPCR検査を行い、飲食店店員、宅配業者らにも検査を義務化したという。

 漁網の網の目は、狙う魚の大きさに合わせて大小さまざまとなる。網の目を狭めるなら小さな魚も引っかかるだろうが、大きな魚を狙うには細かすぎる網の目は必要ない。PCR検査という網は感染者をもれなく引っかけることが目的だから網の目は細かくなければならない。それはPCR検査機器、人員、検査場を大幅に増強することであり、また、強権で人々に検査を義務化することだ。

 中国に居住する全ての人間がいつでも、どこでもPCR検査を受ける体制が構築できれば、政府は全国の感染状況を明確に把握できるだろう。感染者の発生をすぐに察知し、迅速に対応して感染拡大を封じ込める……ことができるはずだが、PCR検査には限界がある。それは感度の問題で、PCR検査を増やすにつれて偽陰性(陰性と判定されるウイルス保有者)の人も増える。

 さらにPCR検査で陰性と判定された人でも、検査の後に感染する可能性がある。PCR検査で陰性と判定されて陰性証明を取得し、翌日に駅や空港に行った時には既にどこかで感染している人はいるだろう(PCR検査を受けて陰性と判定されたから、感染の可能性が無くなるわけではない)。陰性証明はPCR検査で検体を採取した時点のウイルス保有状況を示すもので、何かの資格取得を証明するものではない。

 陰性証明を持ち歩くように義務付けたのは、人々の移動を容認するための方便だ。感染者が出ているからと厳しい外出制限に戻ることはできず、経済活動を再開しなければ総倒れにもなりかねない状況であるから都市封鎖なんてできない。ウイルスと共存する新しい日常を持続させるための統治方法の一つが、人々にPCR検査を受けさせて陰性証明を持つことを強制することだ。

2020年6月24日水曜日

当たらないし、使えない

 どこかの国が日本に向けてミサイルを発射したなら、日本のどこかに着弾する前、飛んでいる間に迎撃ミサイルで打ち落とすのが、被害を最小にする最も効果的な防衛方法だろう。だが、高速で飛んでいるミサイルを撃ち落とすことは簡単ではない。映画なら、飛んできた弾丸に向けて主人公が銃を撃ち、発射された弾丸が飛んでくる弾丸に当たるとの描写もあろうが、その確率は現実ではほぼゼロだ。

 高速で飛んでいるミサイルを撃ち落とすために必要なのは、飛んでいるミサイルの軌道を常に把握できていることだ。撃ち落とすべきミサイルが、いつ、どこに存在するか空間的な位置を常に把握できていなければ、どこへ向けて迎撃するのか見当がつかない。標的がどこにあるのか知らないのでは、当てることはできない。

 しかし、攻撃する側がミサイルの発射の日時や時間、軌道、速度、目標などを知らせてくれるはずはなく、強力なレーダーを用意しても、地球は丸いが電波は直進するので、レーダーで遠い国のミサイル発射を瞬時に探知し、追跡できるかは不明だ。日本に向けて高速で飛んでくるミサイルを、迎撃ミサイルを当てて撃墜するという可能性は限りなく低い。

 日本政府は、地上配備迎撃システム「イージスアショア」を山口県と秋田県に配備する計画の停止を発表した。このシステムは海上自衛隊の護衛艦に配備している「イージスシステム」の陸上版で、2カ所に配備することで日本全国を守ることができるとの触れ込みだったが、発射した迎撃ミサイルのブースターの落下位置が制御できないから危険だというのが計画停止の理由。

 人々の生活空間に空からブースターが落下してくるのは確かに危険だ。だが、迎撃ミサイルが発射される時は、日本に向けてミサイルが飛んでくる時であり、そのミサイルを破壊しなければ、日本のどこかで大きな被害が生じる可能性が高い。本当に迎撃ミサイルで、高速で飛んでくるミサイルを撃ち落とすことができるなら、ブースターの落下の危険を考慮してもイージスアショアの配備を日本防衛のために進めるのが、責任ある政治だろう。

 日本政府がイージスアショアの配備計画を停止したのは、実戦では「あてにならない」システムだからだ。飛んでくるミサイルに確実に迎撃ミサイルを当てなければ、このシステムの存在意味はない。だが、このシステムで迎撃ミサイルを発射した場合、高速で飛んでくるミサイルに当たる確率は何%か、定かではない。このシステムは軍事機密に守られているが、おそらく日本政府はこのシステムの「実力」を承知している。

 米国はミサイル防衛計画の開発を進め、飛んでくるミサイルに迎撃ミサイルを的中させる実験を繰り返した。だが失敗が多く、迎撃ミサイルが的中したケースは公表されたが、実はミサイルの正確な発射位置、発射時間、軌道などが事前に明らかにされていたり、飛んでくるミサイルが電波を発信し続けて迎撃ミサイルが追跡しやすくなっていたなどという。実戦では「あてにならない」システムを日本政府が見限ったのは正しい判断だろうが、このシステムは日本が米国に資金供給することが目的だったと見ると、米国は代わりの資金供給を求めるだろう。

2020年6月20日土曜日

色あせた「勝利宣言」

 中国の北京で集団感染が発生した。北京最大の食品卸売市場から感染が広まったとされるが、扱っている食品などにウイルスが付着していたのか、ヒトからヒトへの感染なのか感染ルートは特定されていない。同市場は閉鎖され、周辺の居住区に外出制限が拡大され、同市場と接触歴がある人は市外に出ることが禁じられた。

 ここ2カ月ほど北京市では新規感染者は出ていなかった。北京市は警戒レベルを 2番目の高さに引き上げて「戦時状態」を宣言した。市内に約200のウイルス検査場を設置し、検問所では住民の検温を行い、屋内スポーツ施設や娯楽施設、多くの学校は閉鎖された。

 隣接する河北省のほか、遼寧省、浙江省、四川省にも感染が広がっており、北京市は市民に対し、必要がないかぎり市外に出ないよう求め、市外に出る場合は事前にPCR検査を受けて陰性証明を携行するよう指示した。北京市内では人の移動の管理が厳しくなり、マンションなどでは入り口で住民の体温検査や強制的な登録が行われ、地域コミュニティーごとに管理の徹底が促された。

 北京市と各地と結ぶ長距離バスの運行は停止され、北京を離着陸する航空便のキャンセルが増えた。北京市は地方から北京に入る人にPCR検査と隔離を義務付けたが、北京訪問を控えるよう呼び掛ける地方が増え、北京市の感染リスクが高い地域を訪れた人に14日間の隔離措置を課す地方政府もある。

 中国政府は数カ月前から、新型コロナウイルス感染を抑え込んだと「勝利宣言」の宣伝を国内外に向けて行い、感染拡大が続く他国を援助する立場であることを強調、世界で感染拡大が続く状況を中国に有利に活用していた。だが、北京での今回の感染拡大を阻止できず、「勝利宣言」は色あせた。

 武漢での感染拡大を中国は強権で、都市封鎖し、企業や商店などを閉鎖させて経済活動を停止させ、人々の外出を制限し、全国から医療関係者を招集して大規模な治療体制を構築して抑え込んだ。だが、武漢よりもはるかに大きな都市であり、首都である北京でも武漢と同様の都市封鎖を行うことは政治的に困難だろう。北京を都市封鎖するなら、「勝利宣言」をした中国政府のメンツは丸つぶれだ。

 国家の強権は人々を厳しく管理することも過酷に抑圧することもできるだろうが、ウイルスを人々と同じようには管理できない。早すぎた「勝利宣言」は強権国家の焦りの反映だろう。焦りとは、感染拡大を許して国内外で多くの犠牲者を出したことから目をそらさせ、国内で愛国主義を高める必要性に迫られて生じたと見える。

2020年6月17日水曜日

感染と共存する生活様式

 各国で公共交通の乗車時や店舗内などでのマスク着用が義務化され、欧米でも外出時のマスク着用者が珍しくなくなった。日本でも営業再開した店舗などで店員がマスクに加えて透明なフェイスガードを装着して接客する。新しく出現した奇異な装いに見えるが、違和感を言うことは憚られる気配だ。

 第2波、第3波がいずれ来るとの想定を皆で共有しているから、マスクやフェイスガード、飲食店などでの客ごとの透明ボード間仕切りや客席減などの感染防止策をやむをえないと受け入れている。新しい生活様式はしばらく続きそうだが、新しい生活様式が定着するには感染拡大の恐怖が続くことが不可欠だ。

 新型コロナウイルスの感染が終息するか、ワクチンや治療薬が開発されるか、インフルエンザ同様の感染症として過剰な恐れを人々が持たなくなれば、新しい生活様式は役目を終える。そうなれば、2020年に世界で人々は不安に圧倒されて、奇妙な行動をしていたと振り返って笑うことができよう。だが、感染の不安が続くなら新しい生活様式が日常として定着する。

 人と会うことや会食すること、大勢が集まること、旅行することなどを制限する新しい生活様式は、人々がこれまで築いた文化の否定でもある。対人距離の遠近は相手との親密さの反映であったが、誰をも感染者だとみなして2メートルの距離を保つのは、常に他人に警戒心を持つことである。新しい生活様式は不自然すぎる生活様式だ。

 感染の恐怖から新しい生活様式を我慢して人々は受け入れているのだろうが、我慢には限界がある。感染が続いていたとしても、いつか人々は徐々に新しい生活様式を捨て、元の生活様式に戻る。その時が、感染と共存する生活様式に移行する時だ。その生活様式は、国などから指示された一方的なものではなく、人々が生み出すものだ。

 感染と共存する生活様式とは、恐怖心から過剰さが抜け落ち、「正しく」恐れる日常だろう。何が「正しく」恐れることなのか曖昧だが、おそらく今後も感染者や死者を出しながら、感染者の大半は風邪に罹患した程度で済むと見極め、感染することもありうると覚悟して、人と会って会話し、会食し、大勢が集まったり旅行することなどで生活を楽しむ。

 今回のコロナ禍で各国は人々の行動を規制し、生活に細々と注文をつけた。非常事態だからと大半の人々は従ったが、長引くにつれて規制に縛られずに行動する人々も増えた。非常時には国家が前面に出たが、感染が続くことを含めた新しい生活が続くにつれて人々は個人を主張し始め、国家の過剰な束縛を排する。ただし、自分で判断することができない個人は国家が指示する新しい生活様式に従うしかないだろう。

2020年6月13日土曜日

攻撃される銅像

 英国のブリストルで、奴隷貿易で財を成した商人エドワード・コルストンの像を人々が引き倒し、川に投げ込んだ。この像の撤去を求める運動は以前からあり、米国でのジョージ・フロイド氏の死に抗議するデモの参加者が実力行使した。F1ドライバーのハミルトン氏は「あの男の像はそのまま川に沈めておくべきだ。この国へ連れてこられる途中で死んだ2万人のアフリカ人は、葬儀や埋葬もしてもらえず海に放り込まれたんだ」「像の男は家族を引き裂いた人間で、そんな男をたたえちゃいけない」。

 ベルギーのアントワープでは、19世期〜20世紀の国王レオポルド2世の像を地元当局が撤去した。米国の白人警官による黒人殺害事件に対する抗議が広がり、国王像に赤い塗料がかけられていた。この国王はアフリカ中部コンゴを植民地化し、天然ゴムの農園で酷使した現地人に死者が続出するなど過酷な植民地支配を行った人物。

 米国ではリッチモンドでコロンブスの像が、白人警官による黒人殺害事件に抗議するデモ隊に倒され、池に投げ込まれた。ボストンでもコロンブス像の頭部が破壊された。米大陸の発見者コロンブスには、先住民の虐殺を招いたとの批判があり、各地で像の破壊行動が過去にも起きていた。人種差別や奴隷制度に関わる人物の像の撤去を求める声は以前からあり、南北戦争中に奴隷制度を支持した南軍の将軍の像も議論の的になっていた。

 白人警官による黒人殺害事件で、欧州でも過去の植民地支配や奴隷貿易の暗部に光が当てられた。米大陸にアフリカから黒人を運んだのは欧州諸国だった。16世紀にポルトガルとスペインが奴隷貿易を始めて、17世期にオランダや英国が加わり、英国は英国ーアフリカー北米ー英国を巡る三角貿易で巨万の富を蓄えた。

 植民地支配や奴隷貿易により蓄積された富は欧州諸国の発展を支え、世界規模での諸国の行動を可能にし、欧州の世界に対する影響力を格段に高めた。だが、植民地支配や奴隷貿易は、人間の尊厳と自由を奪い、生命さえ軽んじた人権侵害の典型であり、現代の普遍的とされる価値観からは全面否定される行為だ。

 人権や自由、民主主義など現代の普遍的とされる価値観は、欧州各国や米国などで形成された。大雑把に言えば、白人が生み出した価値観といえる。白人が過去に行った植民地支配や奴隷貿易が、白人が生み出した現代の普遍的な価値観によって批判、否定されている。

 現代の普遍的な価値観を現在の欧州諸国は否定できない。といって、過去の植民地支配や奴隷貿易を深刻に反省し、過去に得た利益に相当する富を当時の植民地や奴隷に返還することもしない。欧州諸国は、道義的な責任を感じていると反省して見せるのがせいぜいだろう。人々の怒りが銅像に向かい、引きずり倒して収まるなら欧州諸国にとって好都合で、過去は歴史として「終わった」こととし、現代の普遍的な価値観を尊重する態度を演じ続ける。

2020年6月10日水曜日

民度と政治

 日本政府の副総理・財務相が国会の質疑で、新型コロナウイルスによる日本での死者数が欧米より少ないことについて外国から「お前らだけ薬持っているのかとよく電話で言われ、おたくとは国民の民度のレベルが違うと言ってやると絶句して黙る」と述べた。

 国会での発言だから事実を述べているのだろうが、不明な点が多い。第一に、日本だけ薬を持っているのかと発言した国はどこか。第二に、絶句して黙ったのは、日本の民度は高いと感嘆したからか、自国と比べて日本の民度が高いと遠慮なく自慢されたからか。後者ならば、財務相の率直な物言いに、あきれて絶句した可能性がある。

 財務相の説では、新型コロナウイルスの死者数と民度には相関関係があることになる。強制されなくても政府の指示に忠実に行動する「お行儀のよさ(=民度?)」が新型コロナウイルスに対する抵抗力を高め、感染者数や死者数を欧米諸国などよりも少なくしているという理解が、医学的にも事実だと確認されたのだとすれば大発見だ。

 財務相はぜひ、この大発見をWHOに報告すべきだ。ワクチン開発にはまだ時間がかかるだろうから、「お行儀のよさ」を人々に勧めることで感染拡大を防止することができると、日本の「成功体験」を世界で共有して、世界を救うべきだ。ブラジルやロシアなど世界各地で感染爆発が起きているのだから、国際社会で日本がリーダーシップを取ることができるに違いない。民度で感染を制御できるとの大発見は医学史上における偉大な発見であり、大いに国際貢献ができるぞ。

 民度の意味は「国民や住民の生活程度、また、経済力や文明の進歩の程度」「ある地域に住む人々の生活水準や文化水準の程度」「 国民あるいは住民の生活の貧富や文明の進歩の程度」「その地域に住んでいる人々の経済力や文化の程度」などで、ざっくりと社会を見るための言葉だ。

 生活水準や経済力、文化水準などは個別の細かい項目を設けて数値化できるだろうし、それらを総合して民度を客観化することができよう。だが、現在使われている民度という言葉には客観的な裏付けが希薄で、民度の高低は主観的に判断され、自国を誇るか他国を貶めるために都合よく使われている。

 民度を客観的な数値で示すことができれば、世界各国を民度でランキングすることができる。そうなると、各国の民度の高低と政治の成熟度の関係が浮かんでくる。民度が高い国民や住民は、民主主義や人権を尊重する政治家を選ぶのか、ポピュリストを選ぶのか、権威主義者を選ぶのか。おそらく民度の高い人々なら、根拠がないことを主観で言いたてるような人物は政治家として不適格だと判断し、議員にさせないかもしれない。

2020年6月7日日曜日

ドキュメント「パンデミック5月」

 世界における新型コロナウイルスの感染者数は5月1日の325万人台から、31日には600万人を超え、倍増した。死者数は1日の23万人台から、31日には約37万人と増加を続けた。ロシアとブラジルで感染爆発が生じ、感染者数で両国は欧州諸国を一気に上回った。
 <5月> 1日=感染者が世界で325万人超す(米国で105万人、英国で17万人、ロシアで8万7千人、インドで3万5千人超す)。死者が世界で23万人超す(米国で6万1千人、イタリアで2万8千人、フランスで2万4千人超す)。米国では4月最終週に実施した検査数が150万件強で1カ月前から2倍以上に増加。インドは全土の都市封鎖を2週間延長。レバノンで市民生活の困窮が深まり、外出禁止の複数の都市で大規模な反政府デモ活動が再燃。
 2日=世界の感染者が330万人超す(感染者が米国で108万人超す)。死者が世界で23万5千人超す(米国で6万3千人、英国で2万7千人超す)。回復者数は世界で累計100万人を超す。シンガポールは客や従業員の個人情報を記録するアプリの店舗や企業への導入を義務化。スペインで時間限定で散歩やサイクリングが解禁。フランスは「公衆衛生上の緊急事態」を2か月延長。日本で国内の死者が500人超す。
 3日=世界の感染者が340万人超す(感染者は欧州で150万人超す。米国で112万人、英国で18万人、ロシアで12万人、ブラジルで10万人超す)。死者が世界で24万人超す(米国で6万5千人、イタリアで2万8千人、スペインやフランスで2万5千人、ブラジルで7千人超す)。インドは全土封鎖を再延長。タイは商業施設を一部再開。日本で国内の感染者が1万5千人超す。
 4日=世界の感染者が350万人超す(米国で116万人、イタリアで21万人、英国で18万人、ロシアで13万人、チリで2万人超す)。死者が世界で24万6千人超す(米国で6万7千人、英国で2万8千人超す)。イタリアは全土でロックダウン措置の段階的な解除。NZで新規感染者数が約1カ月半ぶりにゼロ。マレーシアは外出制限を緩和し、経済活動を再開。ラオスは外出禁止令を解き、商業施設の営業再開を認める。インドは外出制限を段階的に緩和。トルコは都市封鎖措置を一部緩和。日本は全国への緊急事態宣言を延長。
 5日=世界の感染者が356万人超す(米国で118万人、英国で19万人超す)。死者が世界で25万人超す(米国で6万8千人、イタリアで2万9千人超す)。
 6日=世界の感染者が360万人超す(米国で120万人、フランスで17万人、ロシア17万人、ブラジルで12万人、ペルーで5万人超す)。死者が世界で25万5千人超す(米国で7万人、英国で2万9千人、ブラジルで8千人超す)。ドイツは経済規制の緩和策を発表。韓国は外出や集会の制限を緩和。
 7日=世界の感染者が370万人超す(米国で121万人、スペインで22万人、英国で20万人超す)。死者が世界で26万人超す(米国で7万2千人、英国で3万人超す)。イスラエルは外出制限を解除。韓国ソウルのナイトクラブで集団感染。
 8日=世界の感染者が380万人超す(米国で125万人、ロシアで18万人、ブラジルで14万人超す)。死者が世界で26万6千人超す(米国で7万5千人、スペインで2万6千人、ブラジルで9千人超す)。オーストラリアは感染防止のための制限措置を緩和。米国の失業率が戦後最悪となる14.7%に急上昇。日本で国内の死者が600人超す。
 9日=世界の感染者が390万人超す(米国で127万人、英国で21万人、ブラジルで15万人超す)。死者が世界で27万人超す(米国で7万6千人、英国で3万1千人、イタリアで3万人、ブラジルで1万人超す)。オーストラリアでキャンベラを含む複数地域で小規模集会や飲食店の営業など再開。
 10日=世界の感染者が400万人超す(米国で130万人、ロシアで20万人超す)。死者が世界で27万7千人超す(米国で7万8千人、フランスで2万9千人超す)。マレーシアは活動制限令の期限を4週間延長。中国の東北部で新たな感染拡大。
 11日=世界の感染者が410万人超す(米国で132万人、英国で22万人、ロシアで22万人、ブラジルで16万人超す)。死者が世界で28万人超す(米国で7万9千人、ブラジルで1万1千人、ロシアで2千人超す)。フランスは2か月近く続けてきた外出制限を大幅緩和。ロシアは全土での「非労働期間」を終了。英国が規制を一部緩和。ブラジルは外出規制を緩和。中国の武漢市は全市民のPCR検査を実施へ。上海ディズニーランドが再開。
 12日=世界の感染者が416万人超す(米国で135万人、イタリアで22万人、ドイツやブラジルで17万人超す)。死者が世界で28万4千人超す(米国で8万人、英国で3万2千人、イタリアで3万1千人、ブラジルで1万2千人、インドネシアで1千人超す)。米カリフォルニア州は一部の自治体で店内飲食の再開認める。日本で国内の感染者が1万6千人超す。
 13日=世界の感染者が420万人超す(米国で137万人、ロシアで23万人、ブラジルで18万人、インドで7万人超す)。死者が世界で29万人超す(米国で8万2千人、英国で3万3千人、ブラジルで1万3千人超す)。EUは域内の移動制限を条件付きで緩和。ニュージーランドは国家非常事態宣言を解除。中国の吉林省で発症者が増加。アフリカ全54カ国で感染者を確認。米ウィスコンシン州の最高裁判所は外出規制令は違法と判決(学校を除く外出規制令は判決と同時に解除)。
 14日=世界の感染者が430万人超す(米国で139万人、ロシアで24万人、英国で23万人、ブラジルで20万人超す)。死者が世界で29万7千人超す(米国で8万4千人、スペインやフランスで2万7千人超す)。インドは全ての出稼ぎ労働者に2カ月分の食料を無償で供給。日本は緊急事態宣言を39県で解除。日本で国内の死者が700人超す。
 15日=世界の感染者が440万人超す(米国で142万人、ロシアで26万人、スペインで23万人超す)。死者が世界で30万2千人超す(米国で8万6千人、英国で3万4千人超す)。米NY州で建設業などの再開容認(全米の9割以上の州で限定的に経済活動が再開)。チリはサンティアゴ市全域などで外出禁止措置。
 16日=世界の感染者が450万人超す(米国で144万人、ロシアで25万人、ブラジルで22万人、インドで8万5千人超す)。死者が世界で30万7千人超す(米国で8万7千人、ブラジルで1万4千人超す)。バングラデシュのロヒンギャの難民キャンプで感染者。フィリピンはマニラ首都圏などの外出・移動制限措置を一部緩和。米国の検査件数は累計で1100万件を突破。
 17日=世界の感染者が460万人超す(米国で145万人、ロシアで27万人、英国で24万人、ブラジルで23万人、インドで9万人超す)。死者が世界で31万人超す(米国で8万8千人、英国で3万4千人、ブラジルで1万5千人超す)。タイの大型商業施設が営業再開。インドは行動制限を含む都市封鎖を2週間延長。
 18日=世界の感染者が470万人超す(米国で149万人、ロシアで28万人、メキシコで5万1千人超す)。死者が世界で31万3千人超す(米国で8万9千人、フランスで2万8千人超す)。イタリアは経済活動の制限を大幅緩和。WHOが年次総会(台湾のオブザーバー参加は認めず)。
 19日=世界の感染者が480万人超す(米国で150万人、ロシアで29万人、ブラジルで25万人超す)。死者が世界で32万人超す(米国で9万人、イタリアで3万2千人、ブラジルで1万6千人超す)。インドネシアはジャカルタの大規模な行動制限措置を再延長。
 20日=世界の感染者が490万人超す(米国で153万人、ロシアで30万人、ブラジルで27万人、英国で25万人、ペルーで10万人超す)。死者が米国で9万1千人、英国で3万5千人、ブラジルで1万7千人超す。全米50州で業種を限定するなどして経済活動が再開。シンガポールは経済活動の制限を緩和。
 21日=世界の感染者が500万人超す(米国で155万人、ロシアで31万人、ブラジルで29万人、インドで11万人超す)。死者が世界で32万8千人超す(米国で9万3千人、英国で3万6千人、ブラジルで1万8千人超す)。日本政府が緊急事態宣言を大阪、京都、兵庫の3府県で解除。
 22日=世界の感染者が510万人超す(米国で158万人、ロシアで32万人、ブラジルで31万人、シンガポールで3万人超す)。死者が世界で33万3千人超す(米国で9万4千人、英国で3万6千人、ブラジルで2万人超す)。英国は入国者に14日間の自己隔離を義務付け。日本で国内の死者が800人超す。
 23日=世界の感染者が520万人超す(米国で160万人、ブラジルで33万人超す)。死者が世界で33万8千人超す(米国で9万6千人、スペインで2万8千人、ブラジルで2万1千人超す)。中国は本土の新たな感染者が0人だったと発表。
 24日=世界の感染者が530万人超す(米国で162万人、ブラジルで34万人超す)。死者が世界で34万人超す(米国で9万7千人、ブラジルで2万2千人超す)。
 25日=世界の感染者が540万人超す(米国で164万人、ブラジルで36万人、ロシアで34万人、英国で26万人超す)。死者が世界で34万4千人超す(米国で9万8千人、スウェーデンで4千人超す)。インドは国内線で運航再開。モンテネグロは感染終息を宣言。中国は国際旅客便の乗り入れ制限を緩和。日本政府は緊急事態宣言を全国で解除。
 26日=世界の感染者が550万人超す(米国で167万人、ブラジルで37万人、ロシアで35万人、イタリアで23万人超す)。死者が世界で34万5千人超す(ブラジルで2万3千人超す)。タイは非常事態宣言を6月末まで延長。
 27日=世界の感染者が560万人超す(米国で168万人、ブラジルで39万人、ロシアで36万人、イタリアで23万人超す)。死者が世界で35万人超す(米国で9万9千人、英国で3万7千人、イタリアで3万3千人、ブラジルで2万4千人超す)。NZで病院から新型コロナウイルスの患者がいなくなる。
 28日=世界の感染者が570万人超す(米国で170万人、ロシアで37万人超す)。死者が世界で35万5千人超す(米国で10万人超す)。ブラジルが1日あたり新規感染者数で米国を抜き、国別で世界最多に。北九州市の2医療機関で集団感染が発生。
 29日=世界の感染者が580万人超す(米国で172万人、ブラジルで41万人、英国で27万人超す)。死者が世界で35万9千人超す(米国で10万1千人、英国で3万8千人、スペインで2万9千人、ブラジルで2万5千人超す)。韓国はソウルを含む首都圏で外出自粛を要請。米国はWHOからの脱退を表明。
 30日=世界の感染者が590万人超す(米国で174万人、ブラジルで46万人、ロシアで38万人超す)。死者が世界で36万5千人超す(米国で10万2千人、ブラジルで2万7千人超す)。
 31日=世界の感染者が600万人超す(米国で177万人、ブラジルで49万人、ロシアで39万人超す)。死者が世界で36万8千人超す(米国で10万3千人、ブラジルで2万8千人超す)。北九州市の小学校でクラスター発生。

2020年6月6日土曜日

東京あらーと

 「東京あらーと」と耳にして、東京のアラトで集団感染が発生したのかとつい早合点しそうになった。最後にトがつく地名は東京に青砥があり、全国には早戸、隼人、三郷、湊、明戸、小本、荒砥、有戸、関都、千里、広戸、土本、船戸、鳴門、根本、大和、山都、大戸、湯本、京都、水戸、瀬戸などもある。荒砥は山形県。

 「東京アラート」は耳に入りやすいキャッチコピーだ。感染者が増えている状況だと人々に注意を喚起するために東京都が新たに設定した。発案者が誰か定かではないが、外国の大学出で英語にも堪能だろう現在の都知事の好みそうな文言だ。人気頼みの浮き草稼業である政治家は、観客である人々にウケることが大切で、注目を引き付けておくためには様々な演出が必要になる。

 この都知事は英語を使うのが好みのようで、オーバーシュートとかロックダウン、都民ファースト、ワイズ・スペンディング、ホイッスル・ブロワー、ダイバーシティ、サスティナブルなどカタカナ語が多過ぎるとの批判が以前からあった。国際都市の東京だから、都民の大半は英語を使えるので理解できる?

 日本語の適当な訳語がないなら、新しい専門語など英語をカタカナ語にして使うことがある。だが、大半の英語の文言は日本語で表記できる。日本には西洋の言葉を翻訳して漢字で表現してきた歴史があり、膨大な蓄積が豊かな日本語の世界を形成した。翻訳とは言葉の定義を確定する作業でもあった。言葉を主観で恣意的に使うには定義を曖昧にするほうが都合よく、カタカナ語は便利だろう。

 カタカナ語を多用するのは、①英語で思考しているから、つい英語で話す、②英語を話せるんだゾと強調、③思考が欧米追随、④タレントのルー語のファン、⑤カタカナ語を混ぜることが知性的と信じている、⑥聴衆を煙に巻くため、など状況は様々だろう。①の場合は、カタカナ語の発音が英語そのままだったりするから判別できる。

 政治家がカタカナ語を使うのは、聴衆に理解を求めることより、一方的な主張・見解を披露する場合だ。相手の賛同を得るには、相手と言葉の定義を共有して説得しなければならないから、曖昧なカタカナ語で気取ることは逆効果だ。権力に基づく指示や命令なら、カタカナ語を振りまいても、理解できない相手が悪いとできよう。

 カタカナ語の多用は欧米コンプレックスの名残とも見える。そういえば9月入学の主張の理由は「欧米に合わせるため」と欧米コンプレックス丸出しだった。こうした欧米コンプレックスの人がカタカナ語を話すのを聞いて残念なのは、カタカナで発音していること。せめてRとLを区別し、BやV、P、thなども正しく発音して欲しい。それでこそ欧米人に近づけるぞ。

2020年6月3日水曜日

初期症状はカゼ

 新型コロナウイルスに感染した人が日本でも世界でも大幅に増え、感染すると、どういう症状が出て、どういう経過をたどるのか多くの症例から見えてきた(厚労省や医療機関のサイトなどからまとめた。感染しても無症状の人が多いことも判明)。
 
 感染した場合の初期症状として指摘されているのは、▽発熱(微熱も)▽セキや息苦しさ、呼吸困難▽ノドの痛みや違和感▽頭痛▽強い倦怠感や不快感、悪寒▽味覚・嗅覚異常(何かを食べても味を感じない、食べ物のにおいが分かりづらい)▽鼻水や鼻詰まり▽筋肉痛や疲労感▽胸の痛み▽目の痛みや目の周囲の赤み▽食欲不振▽下痢、などだ。どんな症状がどんな組み合わせで出るのかは人によって異なり、ほとんど自覚症状がない人もいる。

 一般的な経過は、①感染したら潜伏期を経て発熱、セキ、ノド痛、倦怠感などのカゼと同じ症状が現れる(人によっては下痢なども)、②カゼの症状が約1週間続いたのち、8割の人は快方に向かう、③2割の人はカゼの症状から肺炎を合併する(高齢者や持病がある人は肺炎を合併しやすい)、③2割の人のうち4人に1人は重症化する。

 これは一般的な経過であり、人によって発症状況や経過は異なり、高齢者や基礎疾患などがある人、妊婦では発症からすぐに肺炎に至ることもあるというから注意が必要だ。これらの人はカゼの症状が現れたなら、早めに医療機関などに電話相談する必要がある。

 カゼの症状が現れてから早期に重症化する兆候としては、顔色が明らかに悪い/唇が紫色/息の荒さや呼吸困難/急な息苦しさ/胸の痛みが出てきた/横になれない/座らないと息ができない/朦朧としている/脈が飛ぶなどがあり、すぐに医療機関に相談する。

 普通のカゼは発症から3〜4日でピークを過ぎるが新型コロナ感染症では症状が長引く。カゼの症状が現れた人が新型コロナウイルス感染を疑って早めに病院に行っても、症状からだけでは区別が困難で、もし感染していた場合は感染初期の感染力が強いので、待合室などで感染を拡大させる可能性がある。

 医療団体は、カゼのような症状が出た人に「最初の数日間は受診せず、仕事や学校を休んで外出を避け、自宅療養してください」とし、自宅療養の期間は4日間(高齢者、持病がある人、妊婦は2日間)。自宅療養中は1日2回(朝・夕)体温を測って記録し、自宅療養に不安があるときは,かかりつけ医療機関に電話して担当医のアドバイスを仰ぐよう勧めている。