世界経済は実物経済(実体経済)と金融経済(マネー経済)に大別される。実物経済とはモノやサービスの取引などで構成され、製造業やサービス業、農林水産業などが主体となる。金融経済は貨幣や金融商品などへの投資が主体で、金融業や機関投資家、投資ファンドなどが主体だ。
人類の歴史において、経済活動というと実物経済が主体だったのだが、20世紀後半に金融経済が急膨張した。つまり、モノやサービスを売り買いして利益を得るよりも、マネーを動かして利益を得る活動のほうが大規模になり、世界経済の構造が変質した。
世界中で実物経済に従事している人の数は圧倒的に金融経済よりも多いが、経済規模では金融経済が実物経済を数倍上回るといわれる。モノやサービスの売買が増えなければ実物経済の成長は停滞するが、世界にはマネーが溢れているのだから金融経済の膨張は続いている。
米トランプ大統領は就任演説で、米国から雇用が流出し、工場が閉鎖され、労働者が顧みられなくなったことを指摘し、製造業をアメリカに取り戻すと決意を語った。「米国製品を買い、米国人を雇う」がルールだと宣言し、米国の実物経済の活性化を重視する姿勢を明確にした。
米国でも実物経済に従事して生活する人の数が圧倒的に多いだろうから、より多くの票を選挙で獲得するために、実物経済の活性化を打ち出すのは合理的な戦略だろう。レイオフや工場閉鎖などが資本の論理として活発に行われる米国だから、実物経済を重視する姿勢はアピールポイントになったかもしれない。
だがトランプ大統領は、金融経済の膨張も一因である格差拡大の是正については触れず、米国企業が世界各地で溜め込んでいる莫大な資金を活用することにも触れず、世界の租税回避地を利用した課税逃れへの対策にも触れず、金融経済に関する言及はなかった。
実物経済で米国は世界1の大国だが、金融経済においても圧倒的な世界1の国だろう。テレビや車を製造して売るよりも、投資のほうが遥かに巨額の富を得ることができると米国は経済構造を変えてきた。金融経済の優位はそのままに、実物経済でも活性化に成功したならば米国は世界で「独り勝ち」となる。
新政権にはゴールドマンサックス関係者など金融界から加わっており、米国優位の金融経済は温存され、再分配の推進などは考慮の対象外だろう。大富豪でもあるトランプ大統領の労働者重視とは選挙対策であるとともに、実物経済の「敗者」に寄せる哀れみを示しているのかもしれない。
2017年1月28日土曜日
2017年1月25日水曜日
「米国」を「日本」に置き換える
20XX年の日本。歯に衣着せぬ発言で物議をかもし、ポピュリストだと批判された政治家CS氏が率いる政党が衆院選で大勝し、首相に選出されたCS氏が次のような就任演説をした。(トランプ氏の就任演説中の「米国」を「日本」に置き換えて微修正しました)
日本人はいま我々の国を再建し、全ての日本人に未来を約束する国を挙げての偉大な努力に向けて結集した。我々は、この先の日本と世界の道筋を決めることになる。
今回の選挙は非常に特別な意味を持つ。我々は単に政権から政権へ、党から党へと権力を移行するのではなく、永田町や霞ヶ関からあなた方、日本人に権力を戻す。
あまりにも長い間、永田町や霞ヶ関にいる少数の者たちが既得権益を独占し、人々がそのコストを負担してきた。政治家たちは繁栄したが、雇用は流出し、工場は閉鎖された。支配階級は自らを守ったが、日本国民を守らなかった。
永田町や霞ヶ関の勝利と成功は日本国民の勝利と成功ではなかった。彼らが東京で贅沢をしている間、苦しい生活をする日本中の家族には祝うものなどなかった。
それは全て、今から変わる。今日ここに集った全ての人々、日本中で見守っている全ての人々、日本はあなた方の国だ。本当に重要なのは、人々が政府を支配することだ。これまで忘れられていた人々は、もう忘れられることはない。
この変化の中心にあるのは、国家はその市民に仕えるために存在するという重要な信念だ。しかし、あまりにも多くの日本人にとって異なる現実が存在する。都会で貧困にあえぐ母親と子供たち、日本中に散在する廃工場。若く素晴らしい生徒たちに十分な知識を与えない教育制度。
何十年にもわたり、我々は日本の産業を犠牲にして中国など外国の産業を富ませてきた。日本のインフラが荒廃と衰退に陥るなか、世界での援助に何兆円も費やしてきた。
日本は他の国を豊かにしたが、我々の富、力、自信は消耗した。工場は閉鎖され、海外移転され、取り残された何百万という日本の労働者は見捨てられ、中流層の富が奪い取られ、世界中に再分配された。
しかし、それは過去のことだ。今日から、新しいビジョンがこの国を支配する。今日から「日本第一主義」を実施する。貿易、税、外交と、あらゆる決定は、日本の労働者と家族に恩恵をもたらすために行われる。
我々の仕事を盗み、富を奪うという外国の破壊行為から日本を守らなければならない。産業の保護こそが素晴らしい繁栄と強さにつながる。日本は再び勝ち始めるだろう。我々は職を取り戻す。富を取り戻す。そして夢を取り戻す。
この日本全域に、新しい道、高速道路、橋、空港、トンネル、鉄道をつくり、福祉に頼る生活から人々を抜け出させ、仕事に戻らせる。我々自身の手と労働力で日本を再建する。我々は「日本製品を買い、日本人を雇う」という簡単な2つのルールに従う。
我々は世界の国々に友好親善を求めるが、それは全ての国が自己利益を第一に考える権利を持つという理解の上でのことだ。我々の生き方を押しつけない。しかし、誰もが従う模範として、それを輝かせる。
我々は野心的に考える必要がある。より大きな夢を見なくてはいけない。日本では「生きる」とは「努力を続ける」ことを意味する。
意見を言うだけで行動を起こさない政治家や、批判することが仕事になっているような政治家たちには容赦しない。中身のない対話の時代は終わり、行動を起こす時が来た。日本人の闘志、精神が乗り越えられない課題は存在しない。日本は再び栄え、豊かになる。
全ての日本人に告ぐ。大都市に住んでいようが、小さい町に住んでいようが関係ない。北の果てから南の果てまで、全ての国民にこの言葉を聞いてほしい。
あなた方が無視されることは、もう二度とない。あなた方の声、希望、夢が、日本の未来を形作る。未来への道を導くのは、あなた方の勇気、良心、そして愛だ。
一緒に日本を再び強くしよう。再び豊かにしよう。再び誇りの持てる国にしよう。そして、一緒に日本を再び偉大な国にしよう。
日本人はいま我々の国を再建し、全ての日本人に未来を約束する国を挙げての偉大な努力に向けて結集した。我々は、この先の日本と世界の道筋を決めることになる。
今回の選挙は非常に特別な意味を持つ。我々は単に政権から政権へ、党から党へと権力を移行するのではなく、永田町や霞ヶ関からあなた方、日本人に権力を戻す。
あまりにも長い間、永田町や霞ヶ関にいる少数の者たちが既得権益を独占し、人々がそのコストを負担してきた。政治家たちは繁栄したが、雇用は流出し、工場は閉鎖された。支配階級は自らを守ったが、日本国民を守らなかった。
永田町や霞ヶ関の勝利と成功は日本国民の勝利と成功ではなかった。彼らが東京で贅沢をしている間、苦しい生活をする日本中の家族には祝うものなどなかった。
それは全て、今から変わる。今日ここに集った全ての人々、日本中で見守っている全ての人々、日本はあなた方の国だ。本当に重要なのは、人々が政府を支配することだ。これまで忘れられていた人々は、もう忘れられることはない。
この変化の中心にあるのは、国家はその市民に仕えるために存在するという重要な信念だ。しかし、あまりにも多くの日本人にとって異なる現実が存在する。都会で貧困にあえぐ母親と子供たち、日本中に散在する廃工場。若く素晴らしい生徒たちに十分な知識を与えない教育制度。
何十年にもわたり、我々は日本の産業を犠牲にして中国など外国の産業を富ませてきた。日本のインフラが荒廃と衰退に陥るなか、世界での援助に何兆円も費やしてきた。
日本は他の国を豊かにしたが、我々の富、力、自信は消耗した。工場は閉鎖され、海外移転され、取り残された何百万という日本の労働者は見捨てられ、中流層の富が奪い取られ、世界中に再分配された。
しかし、それは過去のことだ。今日から、新しいビジョンがこの国を支配する。今日から「日本第一主義」を実施する。貿易、税、外交と、あらゆる決定は、日本の労働者と家族に恩恵をもたらすために行われる。
我々の仕事を盗み、富を奪うという外国の破壊行為から日本を守らなければならない。産業の保護こそが素晴らしい繁栄と強さにつながる。日本は再び勝ち始めるだろう。我々は職を取り戻す。富を取り戻す。そして夢を取り戻す。
この日本全域に、新しい道、高速道路、橋、空港、トンネル、鉄道をつくり、福祉に頼る生活から人々を抜け出させ、仕事に戻らせる。我々自身の手と労働力で日本を再建する。我々は「日本製品を買い、日本人を雇う」という簡単な2つのルールに従う。
我々は世界の国々に友好親善を求めるが、それは全ての国が自己利益を第一に考える権利を持つという理解の上でのことだ。我々の生き方を押しつけない。しかし、誰もが従う模範として、それを輝かせる。
我々は野心的に考える必要がある。より大きな夢を見なくてはいけない。日本では「生きる」とは「努力を続ける」ことを意味する。
意見を言うだけで行動を起こさない政治家や、批判することが仕事になっているような政治家たちには容赦しない。中身のない対話の時代は終わり、行動を起こす時が来た。日本人の闘志、精神が乗り越えられない課題は存在しない。日本は再び栄え、豊かになる。
全ての日本人に告ぐ。大都市に住んでいようが、小さい町に住んでいようが関係ない。北の果てから南の果てまで、全ての国民にこの言葉を聞いてほしい。
あなた方が無視されることは、もう二度とない。あなた方の声、希望、夢が、日本の未来を形作る。未来への道を導くのは、あなた方の勇気、良心、そして愛だ。
一緒に日本を再び強くしよう。再び豊かにしよう。再び誇りの持てる国にしよう。そして、一緒に日本を再び偉大な国にしよう。
2017年1月21日土曜日
グローバル化の利用法
2016年6月の国民投票でEU離脱支持が得票率51.9%(残留支持は48.1%)となり、英国はEUを離脱する初めての国になった。完全にEUと離れるのか、部分的に離脱する準加盟国になるのか、その離脱の形態は定かではなかったが、このほどメイ首相はEU単一市場から完全に離脱すると表明した。
EU単一市場は人やモノ、資本、サービスの自由な移動が原則なので、英国には東欧のEU加盟国からの移民の流入が増加し、英国民の反EU意識を醸成したという。EUには中東やアフリカから多くの難民・移民が押し寄せるようになったが、英国で問題視されていたのはEU内からの移民だった。
国民投票でEU離脱が決まった後、英政府は、人の移動だけを制限しつつEU単独市場にとどまることを摸索したというが、単一市場の原則は変えられないとEU側は拒絶姿勢だった。域内での人の自由な移動の制限を認めることはEUの理念に関わることであろうし、いいとこ取りを英国だけに認めなければならない理由もない。
メイ首相は演説で「EUの隣人でありつつ、欧州の境界を越えるグローバルな英国」にしたいとし、離脱は「共通する価値観の否定」ではなく「EUを傷つける試み」でもなく、「独立した国家として欧州の同盟国と対等のパートナーシップ」を求め、「我々の議会民主主義や自己決定力」を取り戻すためだとした。
そのため12の優先項目を挙げ、EU法を英国法に置き換え、離脱前と同様のルールや法律が適用されるようにしていく/英国法の独立(EU司法裁判所の英国での裁判権を終わらせる)/アイルランドとの往来の自由維持/EUからの移民数の制限/EUやEU域外国との自由貿易/対テロ・犯罪でのEUとの連携などを示した。
世界の金融中心地の一つになるなど英国は、グローバル化で恩恵を多く享受した国だが、EU離脱は自国中心主義への方向転換に見える。世界のグローバ化を促して富を収集してきたが、グローバル化がもたらす競争激化が国内でも歪みを拡大させたことに耐えられなくなったとも見える。
同じくグローバル化で多くの恩恵を享受してきた米国も、自国中心主義に方向転換するといわれている。英米というグローバル化の旗手でも、世界が低成長に転じてグローバル化から得ることのできる富が少なくなっているのかもしれない。グローバル化の最大の受益者は中国だが、習近平国家主席はダボス会議でグローバル化重視の姿勢を打ち出したというのは歴史の皮肉かもしれない。
EU単一市場は人やモノ、資本、サービスの自由な移動が原則なので、英国には東欧のEU加盟国からの移民の流入が増加し、英国民の反EU意識を醸成したという。EUには中東やアフリカから多くの難民・移民が押し寄せるようになったが、英国で問題視されていたのはEU内からの移民だった。
国民投票でEU離脱が決まった後、英政府は、人の移動だけを制限しつつEU単独市場にとどまることを摸索したというが、単一市場の原則は変えられないとEU側は拒絶姿勢だった。域内での人の自由な移動の制限を認めることはEUの理念に関わることであろうし、いいとこ取りを英国だけに認めなければならない理由もない。
メイ首相は演説で「EUの隣人でありつつ、欧州の境界を越えるグローバルな英国」にしたいとし、離脱は「共通する価値観の否定」ではなく「EUを傷つける試み」でもなく、「独立した国家として欧州の同盟国と対等のパートナーシップ」を求め、「我々の議会民主主義や自己決定力」を取り戻すためだとした。
そのため12の優先項目を挙げ、EU法を英国法に置き換え、離脱前と同様のルールや法律が適用されるようにしていく/英国法の独立(EU司法裁判所の英国での裁判権を終わらせる)/アイルランドとの往来の自由維持/EUからの移民数の制限/EUやEU域外国との自由貿易/対テロ・犯罪でのEUとの連携などを示した。
世界の金融中心地の一つになるなど英国は、グローバル化で恩恵を多く享受した国だが、EU離脱は自国中心主義への方向転換に見える。世界のグローバ化を促して富を収集してきたが、グローバル化がもたらす競争激化が国内でも歪みを拡大させたことに耐えられなくなったとも見える。
同じくグローバル化で多くの恩恵を享受してきた米国も、自国中心主義に方向転換するといわれている。英米というグローバル化の旗手でも、世界が低成長に転じてグローバル化から得ることのできる富が少なくなっているのかもしれない。グローバル化の最大の受益者は中国だが、習近平国家主席はダボス会議でグローバル化重視の姿勢を打ち出したというのは歴史の皮肉かもしれない。
2017年1月18日水曜日
もっと情報を知りたいという需要
博物館や美術館の学芸員は学術的知識を持つ専門職であり、資料の収集のほか、展示会などで出品作品の選定を担当したりもし、キュレーターと呼ばれたりもする。「まとめ(キュレーション)サイト」に載せる文章を書く人もキュレーターと称するそうだが、こちらには専門知識が求められない。
専門知識だけではなく、著作権を尊重することも求められないので、こちらのキュレーターは不正確な記事でも不適切な記事でも掲載し、画像や文章の盗用も行われていたという。運営会社は、広告収入を増やすため検索エンジン対策を重視する一方、「記事の内容に責任を持たない」と広言していたというから、誰も責任を持たない構造だった。
それでも、まとめサイトのアクセス数は増え、それにつれて売り上げ、利益も大幅に増え、参入する企業は増えていた。だが、まとめサイトの実態が信用できないものであることが明らかになり、DeNAは謝罪し、まとめサイトを非公開にすることに追い込まれ、他社も同様に問題があるサイトを非公開にした。
ネット空間に存在する膨大な情報を、整理・分類して一目で見ることができるサイトがあれば便利だろう。問題は、情報を金儲けの材料であるとしか運営者が見ていなかったことだ。事実や真実を伝える情報には価値があり、虚偽や不確かな情報には価値がないのだが、虚偽の情報でも金儲けには活用できていたのが現実だった。
秘密の暴露をにおわせる噂話が下世話な興味をそそるように、不確かな情報は不確かであるが故に注意を喚起したりし、何かを信じたいという気持ちがあれば、それに適する情報が選択されて受容されようし、おもしろさを最優先して虚偽や不確かな情報でもウケたりする。虚偽や不確かな情報は、娯楽の対象になる。
ネット空間から虚偽や不確かな情報を一掃することは不可能であるから、事実や真実を伝える情報を見分けることが重要になる。まとめサイトが、情報の選別を厳格にするなら存在意義はあるが、信用できないものと運営会社が認め、ずさんな制作体制が明らかになったのだから“再出発”は容易ではないだろう。
まとめサイトへの需要はあるが、信頼できる運営主体が不在である状況は、新聞社にとってビジネスチャンスである。新聞社の発信する情報(記事)への信頼性は他媒体に比べて高いから、活用すべきだろう。まずは、過去の自社記事を対象にテーマ毎に一覧できるようにし、徐々に他媒体の情報も加えていけばいい。
新聞社は有料化で囲いこむことで収益源にしようとするが、虚実ごちゃ混ぜの情報が溢れているネット空間は無料が基本だ。有料化ではなくオープンにすることで多くの需要を取り込めば、情報を扱う新聞社がネット空間で生き残る道筋が見えて来るかもしれない。
専門知識だけではなく、著作権を尊重することも求められないので、こちらのキュレーターは不正確な記事でも不適切な記事でも掲載し、画像や文章の盗用も行われていたという。運営会社は、広告収入を増やすため検索エンジン対策を重視する一方、「記事の内容に責任を持たない」と広言していたというから、誰も責任を持たない構造だった。
それでも、まとめサイトのアクセス数は増え、それにつれて売り上げ、利益も大幅に増え、参入する企業は増えていた。だが、まとめサイトの実態が信用できないものであることが明らかになり、DeNAは謝罪し、まとめサイトを非公開にすることに追い込まれ、他社も同様に問題があるサイトを非公開にした。
ネット空間に存在する膨大な情報を、整理・分類して一目で見ることができるサイトがあれば便利だろう。問題は、情報を金儲けの材料であるとしか運営者が見ていなかったことだ。事実や真実を伝える情報には価値があり、虚偽や不確かな情報には価値がないのだが、虚偽の情報でも金儲けには活用できていたのが現実だった。
秘密の暴露をにおわせる噂話が下世話な興味をそそるように、不確かな情報は不確かであるが故に注意を喚起したりし、何かを信じたいという気持ちがあれば、それに適する情報が選択されて受容されようし、おもしろさを最優先して虚偽や不確かな情報でもウケたりする。虚偽や不確かな情報は、娯楽の対象になる。
ネット空間から虚偽や不確かな情報を一掃することは不可能であるから、事実や真実を伝える情報を見分けることが重要になる。まとめサイトが、情報の選別を厳格にするなら存在意義はあるが、信用できないものと運営会社が認め、ずさんな制作体制が明らかになったのだから“再出発”は容易ではないだろう。
まとめサイトへの需要はあるが、信頼できる運営主体が不在である状況は、新聞社にとってビジネスチャンスである。新聞社の発信する情報(記事)への信頼性は他媒体に比べて高いから、活用すべきだろう。まずは、過去の自社記事を対象にテーマ毎に一覧できるようにし、徐々に他媒体の情報も加えていけばいい。
新聞社は有料化で囲いこむことで収益源にしようとするが、虚実ごちゃ混ぜの情報が溢れているネット空間は無料が基本だ。有料化ではなくオープンにすることで多くの需要を取り込めば、情報を扱う新聞社がネット空間で生き残る道筋が見えて来るかもしれない。
2017年1月14日土曜日
ポピュリズムに支配された韓国
米大統領選でのトランプ氏の勝利や、英の国民投票でEU離脱が決まったことなどはポピュリズムの勝利と見なされ、欧米で移民排斥など不寛容が勢いを増すことへの危惧が喚起された。リベラルな価値観が主流とされる社会で、人々が内包していた不満や感情などが可視化されたので、困惑しているようにも見える。
ポピュリズムという言葉は、肯定的にも否定的にも使われる。理性よりも感情、情緒に訴えて政治家が大衆を動かすという意味では大衆迎合主義だとされ、衆愚政治につながりかねないと否定的だ。人々の権利こそ尊重されるべきだとし、民衆の意思を政治に素直に反映させるという意味では民衆主義とか人民主義と肯定的になる。
現在はリベラルなマスコミなどが、意に添わない政治家や政治状況を批判する時にポピュリズムというレッテルを貼り、否定的なイメージで使うことが多いが、ポピュリズムの根本的な危険性は、情緒を刺激された人々が暴走を始めて政治の側が制御できなくなることにある。例えば、韓国。
政治家やマスコミに煽られた人々が直接行動を繰り返して政治的な圧力に育つと、政治家は人々の顔色をうかがって右往左往するようになり、政党は離合集散を始め、議会は選挙に向けたパフォーマンスの場に化し、代議制が損なわれる。政府は機能せず、強くなった人々の「民意」に媚びつつ煽る政治家が注目されたりする。
ポピュリズムに支配された社会では政治の方向性が、強くなった人々の「民意」の風向きによって揺り動き、法に基づく支配は軽んじられるようになる。不安定な「民意」に基づく支配とは、社会の規範が不明瞭になることである。
韓国では、国内法に抵触して公道に設置された少女像を行政は放置し、国際条約も軽んじられ、他国と締約したことも実行しない。暴走を始めた「民意」が立ちはだかって、政治は無力である。煽られた人々の高揚感だけが輝くポピュリズムに支配された社会とは、民主主義の実践ではなく、民主主義が情緒に浸食された姿を示している。
日本語で読むことができる韓国メディアのサイトを見る限り、理性を感じさせる論調は乏しいが、被害者感情で自己正当化しつつ日本を批判してみせる記事は珍しくなく、人々にこびる姿を見せている。ポピュリズムに支配される社会とは、政治やメディアも含め人々が迎合しあう社会であるようだ。
ポピュリズムという言葉は、肯定的にも否定的にも使われる。理性よりも感情、情緒に訴えて政治家が大衆を動かすという意味では大衆迎合主義だとされ、衆愚政治につながりかねないと否定的だ。人々の権利こそ尊重されるべきだとし、民衆の意思を政治に素直に反映させるという意味では民衆主義とか人民主義と肯定的になる。
現在はリベラルなマスコミなどが、意に添わない政治家や政治状況を批判する時にポピュリズムというレッテルを貼り、否定的なイメージで使うことが多いが、ポピュリズムの根本的な危険性は、情緒を刺激された人々が暴走を始めて政治の側が制御できなくなることにある。例えば、韓国。
政治家やマスコミに煽られた人々が直接行動を繰り返して政治的な圧力に育つと、政治家は人々の顔色をうかがって右往左往するようになり、政党は離合集散を始め、議会は選挙に向けたパフォーマンスの場に化し、代議制が損なわれる。政府は機能せず、強くなった人々の「民意」に媚びつつ煽る政治家が注目されたりする。
ポピュリズムに支配された社会では政治の方向性が、強くなった人々の「民意」の風向きによって揺り動き、法に基づく支配は軽んじられるようになる。不安定な「民意」に基づく支配とは、社会の規範が不明瞭になることである。
韓国では、国内法に抵触して公道に設置された少女像を行政は放置し、国際条約も軽んじられ、他国と締約したことも実行しない。暴走を始めた「民意」が立ちはだかって、政治は無力である。煽られた人々の高揚感だけが輝くポピュリズムに支配された社会とは、民主主義の実践ではなく、民主主義が情緒に浸食された姿を示している。
日本語で読むことができる韓国メディアのサイトを見る限り、理性を感じさせる論調は乏しいが、被害者感情で自己正当化しつつ日本を批判してみせる記事は珍しくなく、人々にこびる姿を見せている。ポピュリズムに支配される社会とは、政治やメディアも含め人々が迎合しあう社会であるようだ。
2017年1月11日水曜日
中国の空母が台湾を一周
2016年12月末に、中国初の空母「遼寧」がミサイル駆逐艦3隻やフリゲート艦3隻、補給艦1隻を伴って東シナ海から宮古海峡を抜けて西太平洋に入り、台湾の南方を西へ向かい、台湾ーフィリピン間のバシー海峡を通過して南シナ海に入り、海南島の基地に入った。
この空母は13年に、東シナ海から台湾海峡を通って南シナ海で訓練を行ったことがあるが、宮古海峡を抜けて西太平洋に出たのは今回が初めて。1月1日からは南シナ海で訓練を開始し、海軍力の展開能力をアピールした。中国は、今後も西太平洋やその他海域で訓練を継続させるとしている。
この空母が西太平洋に進出し、行動圏を広げたことは中国の海軍力の着実な能力向上を示すものと日本では報じられた。だが、今回の行動の狙いについては、中国が通常の訓練としていたためか、ほとんど触れられていない印象だ。
なぜ、この時期に中国の空母が、東シナ海から西太平洋に出て、台湾の南方を回って南シナ海に入ったか。それは、12月初めに米トランプ次期大統領が台湾の蔡英文総統と電話で会談したり、「どうして『一つの中国』政策に縛られなきゃならないのか」などと述べたことに対する中国からのメッセージだ。
そのメッセージは、台湾は国家ではなく中華人民共和国の一部であるという「一つの中国」の変更は許さず、台湾を米国が独立国扱いするなら中国は軍事力を使っても阻止するという意思表示であろう。そのために空母を中心とする中国の艦隊の行動圏内に台湾があることを示した。
台湾と空母というと、1996年に台湾総統選挙で李登輝氏の当選を阻止しようと中国は台湾近くで軍事演習を実施したが、米国が空母2隻からなる艦隊を派遣して圧力をかけ、中国は演習を延長せずに終わらせたことがある。今度は中国が、やっと動かすことができるようになった“自前”の空母を使って米国に軍事力を誇示している格好だ。
とはいえ、中国が空母を1隻持ったからといって戦力バランスが中国に有利になったかどうかは不明だ。中国の空母はエンジンの能力が低く航続能力に限界があり、艦載機は重量を軽くするため重武装できないとされ、何やら「張り子」の空母といった印象もある。
慌てて、軍事的に台湾を制圧できるんだぞと、1隻しかない空母を持ち出してアピールしなければならなくなったほど中国は、「一つの中国」に疑問を呈したトランプ氏の発言に動揺していると見るべきかもしれない。
この空母は13年に、東シナ海から台湾海峡を通って南シナ海で訓練を行ったことがあるが、宮古海峡を抜けて西太平洋に出たのは今回が初めて。1月1日からは南シナ海で訓練を開始し、海軍力の展開能力をアピールした。中国は、今後も西太平洋やその他海域で訓練を継続させるとしている。
この空母が西太平洋に進出し、行動圏を広げたことは中国の海軍力の着実な能力向上を示すものと日本では報じられた。だが、今回の行動の狙いについては、中国が通常の訓練としていたためか、ほとんど触れられていない印象だ。
なぜ、この時期に中国の空母が、東シナ海から西太平洋に出て、台湾の南方を回って南シナ海に入ったか。それは、12月初めに米トランプ次期大統領が台湾の蔡英文総統と電話で会談したり、「どうして『一つの中国』政策に縛られなきゃならないのか」などと述べたことに対する中国からのメッセージだ。
そのメッセージは、台湾は国家ではなく中華人民共和国の一部であるという「一つの中国」の変更は許さず、台湾を米国が独立国扱いするなら中国は軍事力を使っても阻止するという意思表示であろう。そのために空母を中心とする中国の艦隊の行動圏内に台湾があることを示した。
台湾と空母というと、1996年に台湾総統選挙で李登輝氏の当選を阻止しようと中国は台湾近くで軍事演習を実施したが、米国が空母2隻からなる艦隊を派遣して圧力をかけ、中国は演習を延長せずに終わらせたことがある。今度は中国が、やっと動かすことができるようになった“自前”の空母を使って米国に軍事力を誇示している格好だ。
とはいえ、中国が空母を1隻持ったからといって戦力バランスが中国に有利になったかどうかは不明だ。中国の空母はエンジンの能力が低く航続能力に限界があり、艦載機は重量を軽くするため重武装できないとされ、何やら「張り子」の空母といった印象もある。
慌てて、軍事的に台湾を制圧できるんだぞと、1隻しかない空母を持ち出してアピールしなければならなくなったほど中国は、「一つの中国」に疑問を呈したトランプ氏の発言に動揺していると見るべきかもしれない。
2017年1月7日土曜日
100年前は1917年
1917年は世界が大きく動いた年だった。ロシアでは3月に臨時政府が成立し、ニコライ2世が退位してロマノフ王朝が滅亡した。10月にペトログラードで軍事革命委が創設され、11月にペトログラードでボリシェビキが武装蜂起し、ソビェト政権の樹立が宣言された。
第一次世界大戦は続いており、2月に独Uボートが米船を撃沈、4月に米国は独に宣戦布告し、6月に米軍が欧州に上陸した。一方、独軍は毒ガスの使用を始めるなど戦闘は各地で激化していた。英では食糧配給制、仏ではパン配給制が実施された(菓子類は製造販売禁止)。
11月に英がパレスチナでのユダヤ人の民族的故郷の建設を支持した(バルフォア宣言)。英は1915年にはアラブ民族に将来の独立を約束(フセイン=マクマホン協定)し、1916年には仏とオスマン帝国領のアラブ地域の分割を密約(サイクス=ピコ協定)するなど、現在まで続く混乱のタネを英が播いていた。
日本では2月に横浜と州崎遊郭、5月には米沢で大火があり、長崎三菱造船所で職工1万人がストを行うなど各地で賃上げ要求ストが相次いだ。11月に日米が石井・ランシング協定を締結し、米は中国における日本の特殊権益の存在を認め、両国は中国の領土保全・門戸開放・機会均等を支持するとした。
2月に英仏露が山東省等のドイツ権益の日本継承を支持し、英の要請で日本軍艦が地中海に向け出航。6月に駆逐艦・榊が地中海で独潜水艦と交戦、艦長ら59人が戦死したほか、日本の商船が独Uボートに撃沈されるなど第一次大戦への関与が強まった。
国内では電気七輪・アイロン・電気ストーブ・腕時計などの普及が始まり、外国人観光客が急増して3万人近くになり、ホテルが満杯となった。浅草オペラが始まり、尾上松之助映画が人気を集めた。永井荷風が「断腸亭日常」の記述を始め、「月に吠える」「父帰る」「城の崎にて」「カインの末裔」「半七捕物帖」「貧乏物語」などが出版された。
1月に横須賀停泊中の軍艦筑波で火薬庫が爆発、死者73人。4月に長崎・神浦村で浪花節興行中のむしろ掛け小屋が炎上して93人が焼死し、9月に東日本を大暴風雨が襲い、死者行方不明1300人という惨事になった。12月には福岡県桐野炭鉱でガス爆発が起き、死者361人。
京都ー東京間で昼夜兼行の東海道五十三次・関東関西対抗駅伝競走が行われ、将棋では上京した坂田三吉八段が関根金次郎八段に勝った。流行語は「ペラゴロ」「人道主義」「きょうは帝劇・あす三越」など。
第一次世界大戦は続いており、2月に独Uボートが米船を撃沈、4月に米国は独に宣戦布告し、6月に米軍が欧州に上陸した。一方、独軍は毒ガスの使用を始めるなど戦闘は各地で激化していた。英では食糧配給制、仏ではパン配給制が実施された(菓子類は製造販売禁止)。
11月に英がパレスチナでのユダヤ人の民族的故郷の建設を支持した(バルフォア宣言)。英は1915年にはアラブ民族に将来の独立を約束(フセイン=マクマホン協定)し、1916年には仏とオスマン帝国領のアラブ地域の分割を密約(サイクス=ピコ協定)するなど、現在まで続く混乱のタネを英が播いていた。
日本では2月に横浜と州崎遊郭、5月には米沢で大火があり、長崎三菱造船所で職工1万人がストを行うなど各地で賃上げ要求ストが相次いだ。11月に日米が石井・ランシング協定を締結し、米は中国における日本の特殊権益の存在を認め、両国は中国の領土保全・門戸開放・機会均等を支持するとした。
2月に英仏露が山東省等のドイツ権益の日本継承を支持し、英の要請で日本軍艦が地中海に向け出航。6月に駆逐艦・榊が地中海で独潜水艦と交戦、艦長ら59人が戦死したほか、日本の商船が独Uボートに撃沈されるなど第一次大戦への関与が強まった。
国内では電気七輪・アイロン・電気ストーブ・腕時計などの普及が始まり、外国人観光客が急増して3万人近くになり、ホテルが満杯となった。浅草オペラが始まり、尾上松之助映画が人気を集めた。永井荷風が「断腸亭日常」の記述を始め、「月に吠える」「父帰る」「城の崎にて」「カインの末裔」「半七捕物帖」「貧乏物語」などが出版された。
1月に横須賀停泊中の軍艦筑波で火薬庫が爆発、死者73人。4月に長崎・神浦村で浪花節興行中のむしろ掛け小屋が炎上して93人が焼死し、9月に東日本を大暴風雨が襲い、死者行方不明1300人という惨事になった。12月には福岡県桐野炭鉱でガス爆発が起き、死者361人。
京都ー東京間で昼夜兼行の東海道五十三次・関東関西対抗駅伝競走が行われ、将棋では上京した坂田三吉八段が関根金次郎八段に勝った。流行語は「ペラゴロ」「人道主義」「きょうは帝劇・あす三越」など。
2017年1月4日水曜日
国家資本主義に覆われる
お屠蘇気分で大雑把にラフな構図を描いてみた。
冷戦期に共産主義国家では資本が国家権力に従属し、資本主義国では国家権力が資本に従属していた。どちらも、資本と国家権力が結びついていることでは同じだから、民衆に見せる「顔」にはさして違いはなく、自由選挙で政府が選ばれる国でも、歯向かう人々には程度の差はあれ国家は強権で臨んだ。
やがて、ソ連などの持続できなくなった共産主義国家が次々に資本主義国へと移行し、北朝鮮など共産主義国家として残った弱小国は衰退を続ける一方、中国は共産党独裁支配の資本主義国へと移行した。中国のような体制は、国家権力が資本を創出して資本と一体化した構造といえる(国家資本主義と名づけよう)。
冷戦は資本主義の勝利に終わり、共産主義の脅威は消え、資本主義に代わる体制はないと見なされるようになり、自己抑制をやめた資本は富の収集のために遠慮することがなくなった。資本に従属する国家権力は労働者の保護策を緩め、再分配から富者の尊重へと税制を変え、過酷な収奪を社会的に正当化し、富の偏在を促すようになった。
そして2017年。大富豪のトランプ氏が米国大統領に就任し、巨大企業の経営者が政権入りするなど資本が国家権力を直接握ったような光景だ。大幅減税や環境規制の緩和、米国の利益を最優先した貿易政策への転換などが予想され、オバマケアなど低所得者向けの政策は見直しの対象になりそうだ。
資本と国家権力の融合という意味では米国も国家資本主義に向かう格好だ。ただ、形成過程は異なり、中国では国家権力が資本を育てて一体化したが、米国では資本が国家権力を直接握ることにより一体化する。
米国で自由や民主主義などの理念が放棄されることはないだろうから、資本が国家権力を握り続けることができるか不明で、中国流の国家資本主義ほど強固ではないだろう。だが、これから数年は米国流の国家資本主義が強欲さを発揮し、世界経済に大きな影響を及ぼすことになりそうだ。
富の収集への欲望が原動力である資本主義は格差拡大を内包するが、国家資本主義ではいっそうの格差の拡大を伴うだろう。米国や中国などの国家資本主義が国内外での不平等を促進し、政治的にも世界の不安定要因となるかもしれない。
冷戦期に共産主義国家では資本が国家権力に従属し、資本主義国では国家権力が資本に従属していた。どちらも、資本と国家権力が結びついていることでは同じだから、民衆に見せる「顔」にはさして違いはなく、自由選挙で政府が選ばれる国でも、歯向かう人々には程度の差はあれ国家は強権で臨んだ。
やがて、ソ連などの持続できなくなった共産主義国家が次々に資本主義国へと移行し、北朝鮮など共産主義国家として残った弱小国は衰退を続ける一方、中国は共産党独裁支配の資本主義国へと移行した。中国のような体制は、国家権力が資本を創出して資本と一体化した構造といえる(国家資本主義と名づけよう)。
冷戦は資本主義の勝利に終わり、共産主義の脅威は消え、資本主義に代わる体制はないと見なされるようになり、自己抑制をやめた資本は富の収集のために遠慮することがなくなった。資本に従属する国家権力は労働者の保護策を緩め、再分配から富者の尊重へと税制を変え、過酷な収奪を社会的に正当化し、富の偏在を促すようになった。
そして2017年。大富豪のトランプ氏が米国大統領に就任し、巨大企業の経営者が政権入りするなど資本が国家権力を直接握ったような光景だ。大幅減税や環境規制の緩和、米国の利益を最優先した貿易政策への転換などが予想され、オバマケアなど低所得者向けの政策は見直しの対象になりそうだ。
資本と国家権力の融合という意味では米国も国家資本主義に向かう格好だ。ただ、形成過程は異なり、中国では国家権力が資本を育てて一体化したが、米国では資本が国家権力を直接握ることにより一体化する。
米国で自由や民主主義などの理念が放棄されることはないだろうから、資本が国家権力を握り続けることができるか不明で、中国流の国家資本主義ほど強固ではないだろう。だが、これから数年は米国流の国家資本主義が強欲さを発揮し、世界経済に大きな影響を及ぼすことになりそうだ。
富の収集への欲望が原動力である資本主義は格差拡大を内包するが、国家資本主義ではいっそうの格差の拡大を伴うだろう。米国や中国などの国家資本主義が国内外での不平等を促進し、政治的にも世界の不安定要因となるかもしれない。
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