2014年11月15日土曜日
最近の崩壊論
何年も前から繰り返し現れるのが中国経済崩壊論。少しでも経済成長の変調を示すデータなどが見つかるたびに現れ、「ほら、おかしくなってきたでしょう」と中国経済の崩壊を“予言”する。しかし、なかなか大方の「期待」や「願望」通りにはいかず、多くの混乱を抱え込みつつ中国経済はペースを落としながらも成長を続けてきた。
最近の崩壊論の根拠は、バブルといわれて久しい中国の不動産市場の変調を示すデータが相次いで公表されたこと。例えば、▽北京、上海などを含む70都市のうち69都市で9月の新築住宅価格が下落(値下がりした都市数は毎月増加し、不動産市況の低迷が全土に広がっている)、▽1〜9月の不動産投資は前年比12.5%増だが、1〜8月の13.2%増より鈍化(販売と新規建設が落ち込む)。
さらに▽1〜9月の不動産販売は8.9%減、新規不動産建設は9.3%減、住宅ローンは4.9%減などのデータのほかに、中国の中小都市で各開発業者による不動産価格引き下げの不毛な競争が既に始まった(新華社)ことや、河北省邯鄲市最大の不動産開発業者の経営者が夜逃げしたことが伝えられ、同様の経営者夜逃げや倒産宣言などは珍しくなくなったという。
経営者が夜逃げするのは、不動産開発のために30%にもなるという高利の金を借りていたから。開発した不動産が売れている間は金を回すことができるが、順調に売れなくなったり、価格を下げて売らざるを得なくなると、途端に資金繰りに窮することになる。運転資金を確保するだけなら、値引きして叩き売ればいいが、それでは高利の借金は膨らむばかり。
最近の中国経済崩壊論は、不動産市場のバブル崩壊により大量の融資資金が焦げ付き、金融不安が広まり、社会不安にも結びつき、開発投資主体の中国経済の成長が終わりを迎えるというもの。製造業の過剰生産能力や国有企業の寡占体制、地方政府の巨額負債、偏る所得分配など様々な問題に対する改革も進まず、中国経済は長期停滞に陥ると“予言”するものもある。
一方で、中国の不動産市場は確かにバブルで価格が高騰していたが、売れなくなって価格がどんどん下がっていけば、それまで手が届かなかった中間層などが買い始め、実需が出てくるという見方もある。適正価格なら住宅を買うという人々が多く存在すれば、不動産バブル崩壊の影響を和らげるという見方だ。その場合にも、高利の金を借りていた不動産開発業者は資金繰りに苦しむが。
崩壊論の根拠にされる中国の発表データには別種の問題がある。それは、どれほど「正確」に実態を反映しているのかという疑問。中国の地方政府が発表するGDPの合計が、国全体のGDPを大きく上回ると指摘されるなど、地方でも中央でも統治者に都合がいい数字が発表されるという見方だ。そうなると、不動産の変調を示すデータを公表せざるを得なくなったのは、とっくに始まっている不動産バブル崩壊を糊塗しきれなくなったということなのかもしれない。
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