2015年6月3日水曜日

発想を変えて空き家対策


 空き家は全国に820万戸と5年で63万戸増え、総住宅数6063万戸の13.5%を占める(2013年)。総住宅数は5年で305万戸増え、共同住宅2209万戸も5年で141万戸増えたが、世帯数は5459万と総住宅数より少ない。住宅は余っているのだから、人が住まない空き家が増えるのは当然だが、放置された空き家が目につくようになり問題視されている。

 空き家は、別荘などの二次的住宅、空いている賃貸用の住宅、売却用の住宅(新築含む)、その他の住宅に分類されるが、数では賃貸用住宅とその他住宅の空き家が多く、それぞれ空き家全体の4割以上になる。問題になっている放置空き家は、その他住宅に含まれる。

 放置された空き家は地方でも都市部でも増えているという。家を建てた親が死んだが、子供らは離れた地域で生計を建てていて住み手がなく、相続した親の家が放置されたままになったり、売ろうにも買い手がおらず、貸そうにも借り手がおらず、そのままにして置かれたりする。

 手入れがなされず放置された空き家は傷みが進み、外壁や屋根などが崩れたり、台風や降雪などで倒壊する恐れが出てきたり、放火や不審者が侵入する可能性があったり、子供らが入り込んだり、不法投棄の場になったりして周囲の景観を害すことにもなり、放置空き家は地域社会の問題にもなる。

 放置空き家を減らすために、危険な状態になった放置空き家は、条例で強制的に空き家を撤去できるようにしたり、撤去に補助金を出したりする動きがある。一方で、使える住宅なら「空き家バンク」などで借り手を広く捜して利用を促したりする。ただ、空き家バンクで地方でも都市部でも借り手が増えたかどうかは定かではない。

 借り手や買い手が簡単に見つかるなら、放置空き家が問題になるはずがない。相変わらず“使い捨て”住宅が新設され続ける一方で、高齢化が進みつつ人口は減り始めて世帯数も減るだろうから、空き家は今後も増え、放置されるものも増えよう。つまり、空き家を活用するには発想を変えて対処するしかない。

 ポイントは、所有権のシバリを緩めること。例えば、3年以上放置されている空き家に住み着いた人に対して、所有者から3カ月以内に退去要請が出されなければ、借家権が発生し、継続して住むことができるようにしたり、10年以上放置されている住宅なら、住み着いた人に所有権が移るようにしたり、倒壊の危険が高い住宅は地方自治体が廉価で没収できるようにする。

 放置された空き家に不審者が住み着いて薬物の製造販売などに利用されたりすることは避けなければなるまいが、例えば、ホームレスの人が放置された空き家を住居にでき、仕事を探して再出発の基盤になるのなら、社会としては一石二鳥だろう。

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