2020年5月2日土曜日

飛べない航空会社

 各国で人々の外出が制限され、客が消えたのだから例えば、レストランなどは売り上げが立たず、融資や援助を受けることができずに手持ち資金が尽きれば廃業するしかない。これは大企業でも同じで、売り上げが立たず、融資や援助を受けられずに手持ち資金が尽きれば倒産する。

 豪航空2位のヴァージン・オーストラリアが経営破綻した。赤字続きの会社が新型コロナウイルスによる需要の大幅減(豪政府は外国人の入国や豪州人の海外旅行を禁止)に巻き込まれ、豪政府に14億豪ドル(約950億円)の支援を求めたが難航し、世界初の航空大手の破綻となった。

 同社に出資している英ヴァージン・アトランティックも英政府に支援を求めている。同社は米国と結ぶ大西洋路線で売り上げの7割を稼ぐというが、運航停止では売り上げが立たない。リチャード・ブランソン氏は所有する島を担保に資金を調達すると報じられたが、政府からの支援がなければ経営破綻するだろう。

 同じく英国のBAは約4万5000人の従業員のうち3万人を一時帰休させ、最大1万2000人の削減を労働組合と協議している。7月にも資金が枯渇すると伝えられる仏蘭エールフランスKLMは仏政府の保証で銀行から40億ユーロを借り入れ、仏政府から30億ユーロを借り入れる。同社では固定費などで毎日2500万ユーロが出ていくという。

 独ルフトハンザは3月から総額1兆円以上の支援を政府に求めているが、なかなかまとまらず、破綻処理による再建を経営陣が検討していると報じられた。運航停止の便数は95%に及び、感染終息のメドが立たず運航再開がいつになるか不明で、政府支援で資金を確保したとしても、それで間に合うのか予測不可能だ。

 米国の航空会社は揃って赤字に陥った。1~3月期決算でサウスウエスト航空は最終損益が9400万ドル(約100億円)の赤字。デルタ航空は最終損益が5億3400万ドルの赤字。ユナイテッド航空は税引き前の純損益が21億ドルの赤字。3社とも米政府から従業員の給与向けの金融支援を受けるが、別に米政府に融資を申し込んだという。米政府は航空会社支援のため500億ドルを準備したと伝えられる。

 日本のANAやJALも事情は同じで、両社は金融機関に数千億円の融資を要請していると報じられた。国内外で旅行客が“蒸発”して消える(=需要が消える)と航空会社のビジネスは成り立たない。日本や世界で外出の制限や自粛が続くなら、各国で航空会社への政府支援は膨れ上がる一方、政府から見捨てられた航空会社は破綻するしかない。需要が消えても存続するためには政府に頼るしかないだろう。

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