2024年5月22日水曜日

犯罪と国籍

 栃木県日光市と長野県松本市、群馬県安中市、福島県南会津町で相次いだ強盗事件で警察は、栃木県の事件の被害者のキャッシュカードで現金を引き出そうとした疑いなどでベトナム国籍の男2人を逮捕した。栃木、長野、群馬の強盗現場近くの防犯カメラに2人が使っていた車と似た車が写っていたともいう。

 狙われたのはいずれも山あいにある民家。報道によると、一連の事件は未明の時間帯に民家に侵入し、刃物で住人を脅して手足などを粘着テープで緊縛して現金などを奪う手口が似ていた。山あいなどにポツンと1軒だけある民家は強盗犯に襲われやすく、夜に押し入り、住人を刃物で脅して「金を出せ」と要求する日本人の強盗は昔から存在した。

 カンボジア国籍の5人が群馬県警に逮捕されたのは、千葉県野田市にある2か所の太陽光発電所から銅線ケーブル(合計およそ950m分、時価695万円相当)を盗んだ疑い。報道によると、栃木県内で金属を狙った窃盗事件は今年1〜3月に578件と昨年の倍以上に急増しており、被害の大半は太陽光発電施設の送電用の銅線ケーブルだという。

 茨城県や岩手県でも昨年、太陽光発電施設の銅線を狙う窃盗団のカンボジア人が逮捕されていた。太陽光発電所の銅線を狙う窃盗団が北関東を中心に増加しているとみられているが、SNSを介して犯行ごとに仲間を集めるスタイルでメンバー間の関係が希薄で捜査の支障になっているという。また、犯行を経験した人が新たな窃盗団を組織したりし、金属盗の認知件数は増加する一方だ。

 銅線が狙われるのは銅の価格が高騰しているためで、金属スクラップの買取業者に売るためだ。無許可の買取業者もいるというから、盗んだ銅線ケーブルの流通経路が確立していることもカンボジア人の窃盗団が増える要因だ。人目の少ない郊外にある太陽光発電所の銅線を盗むのは「参入障壁」が低い犯罪で、盗んだ品物の流通経路が存在するなら、ひと稼ぎしようとする人間が現れるのは不思議ではない。盗んだ品物の流通経路には日本人が関与している可能性が高い。

 犯行を促す環境があり、そうした情報に接した人が、まとまった金が手に入るとの誘惑に誘われて犯罪に手を染めてしまう現象には、おそらく外国人と日本人に大きな差はない。外国人の犯行が報じられると「外国人により日本の治安が乱される」などと感情的に反応しやすい。押し込み強盗や金属類の窃盗は日本人も行っているだろうが、ニュースとして報じられることは少ない。

 一方で、治安がいいと安心しきっている日本は外国人の犯罪プロにとっては格好の出稼ぎ先である可能性もあるし、遵法意識が低い人間は国籍を問わず、どこでも一定割合存在すると仮定すると、日本に住む外国人が増えたから外国人による犯罪も増えたと見ることができる。全てのベトナム人が押し込み強盗をするわけではないし、全てのカンボジア人が銅線の窃盗をするわけもないと冷静に考えれば、犯罪と国籍を結びつけて考える必要はない。

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