2014年10月22日水曜日

現実味を増すエボラ感染


 今年2月頃から西アフリカで始まったエボラ出血熱の大流行により、10月中旬現在で、疑い例を含む感染者数が9千人を超え、死者数は4500人を超えた。西アフリカ3カ国での感染者数の増加ペースは加速しており、WHOは過去3〜4週間は週ベースで約1000人、12月までに週5000〜1万人に達する可能性があるとの見方を示している。

 西アフリカに感染者が限られていた頃は「対岸の火事」視していた欧米も、自国に入国した感染者から、医療従事者への二次感染、さらには三次感染の懸念が現実となって慌て始めた。空港でのチェック体制を強化しているが、「アフリカの感染地域からの渡航者は全員、入国拒否すべきだ」との意見も出るなど、エボラ出血熱への警戒感が広まっているようだ。

 アメリカでは、二次感染が疑われる医療従事者が民間航空機などで“自由”に移動していたことで、「封じ込め」ができていないじゃないかと拡散に対する警戒心が強まった。帰国後に発症した感染者が最初に受診した病院で「ありふれたウイルス感染症」と診断されて自宅に帰されたことや、感染者の治療に関わった医療従事者の感染防止対策が甘かったことなどが、社会の警戒心を焚き付けた。

 欧米での警戒体制強化を受けて、日本でも警戒態勢への関心が強まっている。厚労省は、アフリカの発生国への渡航者や帰国者に注意喚起し、流行地域からの帰国・入国者には健康監視を行う。発生国からの帰国者でエボラウイルスへの感染が疑われる人が見つかれば、感染症指定医療機関に搬送するなどの体制が整えられているという。

 流行地域からの帰国者で、感染した疑いのある人を見つけた医療機関等から連絡があると国立感染症研究所が検査を行い、感染の有無を確認する。感染している場合、患者は感染症指定医療機関に移送され、感染防御対策の施された病室に隔離されるという。感染症指定医療機関は国立国際医療研究センター病院、成田赤十字病院など全国に47機関ある。

 アジアでの新型の鳥インフルエンザの流行などもあって、入国者の監視を強めるなど日本の感染対策は万全を期したものだろう。だが、欧米で感染者が増えれば、アフリカには行っていないが欧米で感染者と接触し、発症していない感染者が入国時の監視を通り抜ける可能性はある。発症していない人からは感染しないそうだが、自覚症状もないので入国時に自己申告もしないだろう。

 エボラ出血熱は潜伏期の後、発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛などの症状がまず現れるそうだ。入国してから十数日後に発症した人が、風邪などと思い込んで近場の病院を受診する可能性はある。そこが感染症指定医療機関なら検査体制が整っているだろうが、一般の病院なら多くを求めるのは無理かもしれない。薬を処方されて自宅に帰されたとしても不思議はなさそうだ。

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