2016年7月16日土曜日

普通の人の何倍もの人生を生きた人


 北海道などには、カスベという魚の煮物や煮こごり料理がある。ゼラチン質が多く、身は淡白でほぐしやすいので食べやすく、軟骨なので骨もそのまま食べることができ、ぬた、唐揚げなどにしても美味しいという。カスベはガンギエイ科のメガネカスベのことで、ヒレの部分を調理して食べる。

 カスベを含むエイの仲間は扁平な形をし、両側のヒレを上下に動かして泳ぐ。カスベは尾を含めて全長1mほどで、砂にもぐったりもして海底で暮らしているが、海面近くで暮らすマンタなど大型エイは、両側のヒレを優雅に羽ばたかせるような泳ぐ姿が伸びやかで、ダイバーには人気があるそうだ。

 世界の水族館ではエイのグッズを販売しているところがあるそうだが、名字にちなんでエイのグッズをコレクションしていたというのが永六輔さん。ラジオ、テレビの放送分野で活躍し、「上を向いて歩こう」など多くの名曲(日本のスタンダード・ナンバーになった)の作詞をし、『大往生』などの著作も多数。日本各地に出掛け、多くの人と語るなど、普通の人の何倍もの人生を生きた人だ。

 永六輔さんが作詞した曲は多い。中村八大さんの作曲したものでは、「黒い花びら」「おさななじみ」「遠くへ行きたい」「黄昏のビギン」「上を向いて歩こう」「一人ぼっちの二人」「夢であいましょう」「娘よ」「芽生えて、そして」「いつもの小道で」「こんにちは赤ちゃん」「帰ろかな」「ウエディング・ドレス」などがあり、永六輔さんが自分で歌った「たこ酢で一杯」なんて面白い曲もある。

 いずみたくさんと組んだ曲も多く、「見上げてごらん夜の星を」や日本の歌シリーズがあり、日本の歌シリーズからは「いい湯だな」「女ひとり」「筑波山麓合唱団」などが歌い継がれている。ほかの作曲家のものでは「若い季節」「二人の銀座」などがあり、永六輔さんの作詞した曲を知らない日本人は少ないだろう。

 これらの曲の多くはAメロとBメロだけで構成されていたりして、覚えやすい短めのメロディーと、聴いてすぐに理解できる歌詞なので、人々は歌いやすかっただろう。最近の曲はCメロ、さらにはDメロと複雑に展開し、断片的に英文も紛れ込んだりするから、覚えるには決意して努力しなければなるまい。最近の曲は、歌い継がれることを放棄した「アーティストの作品」なのだろう。

 これから、永六輔さんが作詞した曲を聴く機会は増えそうだ。テレビなどで、永六輔さんの作詞した曲だけで構成した音楽番組や、追悼コーナーを設ける番組が続こうし、年末の回顧番組では必ず永六輔さんの作詞した曲が使われるだろう。大晦日の紅白歌合戦では特設コーナーを設けて皆で歌ったりするかもしれない。でも、永六輔さんが作詞した「遭いたい」が歌われることはなさそうだ。悲しさが増しすぎるだろうから。

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