2016年のプロ野球のリーグ優勝は、パは日本ハム、セは広島となった。一昔前には東京をホームとする巨人の人気が突出し、他の球団は巨人人気に頼っていたことを振り返ると、球団の地方への分散により新規ファンを開拓する一方、各球団が巨人人気に頼らない球団経営を行い、その成果が現れたといえよう。地方経済が着実に“厚み”を増していることの反映でもある。
東京や大阪などから地方に移転した球団は、地元ファンを球場に集客することが基本となる。応援しながら観戦することが楽しいことだと認識してもらうためには、まず球場に来てもらわなければならない。球場に来る動機づけに工夫が必要だが、第一に必要なことは、強いチームをつくることだ。
といっても、FAで有力選手を集めるようなチームづくりでは地元ファンは育たない。負けが多い弱いチームから、若手選手が力をつけて優勝争いに絡む強いチームへと成長する過程をファンと共有し、自分たちのチームだとの意識を育てることに成功したなら理想的な展開だろう。日本ハムも広島も、若手選手を育てて強いチームになった。
一方で、低迷から脱することができないのが名古屋をホームとする中日ドラゴンズだ。地元では圧倒的な人気があり、優勝争いに絡まなくても200万人ほどの集客があるが、若手選手が主力に育たず、トレードやFAにも消極的で、チームを強くしようとの球団の決意が希薄であるように見える。弱くても球場に観客が来るからと球団経営が弛緩しているのか。
少し前のドラゴンズは毎年、優勝争いに絡むチームで強かった。弱くなった要因は、第一に世代交代に失敗したこと。第二に投手力が弱体化したこと。第三に監督などが頻繁に交代すること。根本にあるのは、球団にチーム編成のビジョンが欠如していることだろう。何を変え、何を変えてはいけないのか、現在のドラゴンズからは見えてこない。
強かった当時のドラゴンズは、30代の主力選手と次々に長期契約を交わし、引き止めることに成功したが、それが世代交代を阻害した。FAで主力選手が他チームに移ったなら、ポジションが空く。ベテランの主力選手が残ったなら、目先の勝利のためには起用するだろうから、若手の出番は少なくなり、経験を積む機会が減る。FAにはチームの新陳代謝を促進する効果もある。
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