2015年9月19日土曜日

会議は開かれたのか


 中国の首都・北京から東に300キロ弱の、海岸に面した避暑地が北戴河だ。ここで夏に共産党の高官、長老らが集まって、主要政策と主要人事の骨格を決める秘密会議が開かれる。北戴河会議と呼ばれ、長老が影響力を維持するためには重要な舞台だが、開催されなかった年もあり、必ず開かれるものでもないらしい。

 今年の北戴河会議についてメディアやチャイナウオッチャーらの多くは、開催されたと見て、誰が出席し誰が欠席したか、何が主要な議題となったか、次の人事はどう決まったか、どういう対立があったのか……などについて推測する記事や論評を公表した。公式の発表はないのだから、それぞれのニュースソースの広さ、深さ、信頼性比べともなる。

 現在の習近平主席を中心とする指導部は、政府や党、軍の高官をも対象に遠慮なく腐敗摘発を進める。それが長老らの人脈や既得権益を脅かし、水面下での対立が激しくなっているとも伝えられ、今年の北戴河会議では対立が先鋭化し、表面化するのではないかとする向きもあった。

 非公式の秘密会議だから、開催されたかどうかは発表されず、何が話し合われ、何が決まったか、全てが闇の中だ。国家機構の上に共産党が位置し、法治が軽んじられる人治の中国。その最高方針を実質的に決めるという会議で、何が話し合われ、何が決まったかが明らかにされない……独裁政治なのだから、世論を納得させて支持を得ることは不要だろうが、北戴河会議の存在そのものが「閉ざされた中国」の象徴となる。

 だから、今年の北戴河会議は開催されなかったとの説が出て来る。いつまでも影響力を振るい続ける長老の江沢民元主席らの「干渉」を嫌って習近平主席は今年の北戴河会議を開催せず、北京から南南東に100キロほどの天津で現役の常務委員だけを集めて会議を開いたという。その会議の期間中に大爆発事故が起きた。

 会議と爆発事故が偶然に重なったのか、それとも、習近平主席らを狙った爆発なのかは定かではない。が、異常な規模の爆発が天津で起こり、その詳細が明らかにされず情報は統制され、跡地は公園にする事が決まるなど素早い幕引きが進んでいることは事実だ。情報が制限されていることが様々な憶測を招来する。

 北戴河会議は開かれたのか。天津の大爆発の時に習近平主席はどこにいたのか。改革開放以降の中国は、以前に比べて情報量は大きく増えたが、重要な情報は隠されるという体質は変わらない。それが、国際社会における中国の不安定さを強調する。

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