けあらし(気嵐or毛嵐)とは、放射冷却で冷え込んだ冬の早朝、大気の温度より海や川などの温度が高い時に、蒸発した水蒸気が冷たい空気に触れて発生する霧(蒸気霧)のことだ。海面や水面が霧に覆われた光景は冬の風物詩とされ、報道では季節ネタとして扱われる。霧は空気中の水蒸気が細かい水滴になって浮かんでいる状態で、日の出とともに気温が上昇すると、やがて見えなくなる。
気嵐は水面近くで広がるだけだが、太陽熱で海水から蒸発する水は約430兆トン/年、雨や雪として海への降水量は約390兆トン/年と推計され、約40兆トン/年が雨や雪として陸地に戻るという。「日本海では、引き続き広い範囲で海面水温が平年より高い」と気象庁。平年より高い海水温の日本海を冬の強い寒波が南下し、水分を例年より多く含んだため北日本や日本海側の大雪がもたらされたのかもしれない。
水の惑星と地球が呼ばれるのは、膨大な水が液体の状態で存在しているからだ。太陽に近い水星や金星では水は蒸発してしまい、火星以遠の惑星では水は氷結している。地球が生命に満ちているのは液体の水が利用できるからだとされる。地球上の水の総量は推定14億km3で海水などの塩水が97.5%、淡水が2.5%だが、淡水の大半が南極等の氷や氷河として存在する水や地下水であり、人が利用できる淡水は地球上に存在する水の量の0.008%(内閣官房HP)。
人間の生活の中で水は液体・固体・水蒸気として利用されている。水は人間の生存には欠かせないものだが、時には集中豪雨や大雪に姿を変えて人間の生活を脅かす。地表全体に満遍なく均等に雨や雪が降るなら、集中豪雨や大雪の被害はなく、むしろ降雨の恩恵が偏ることはないと歓迎されるだろうが、大気の流れは常に変動し、集中豪雨や大雪は局地的に現れる。
水は温度によって姿を変え、気嵐となったり、雪(氷の結晶)となったり、南極やグリーンランドのように厚い氷床となったりする。水は地表にとどまってはいない。海など地表の水は太陽の熱で蒸発して空高く昇り、雲になって、やがて雨や雪となって地表に降ってきて、陸地に降った水は川を経て海に至るとのサイクルを繰り返す。水循環というそうで、塩分を含む海水は蒸発する時に淡水化される。
大気に蓄えられる水分量は常に変化しているが、大気が含む水分量には限度がある(飽和水蒸気量=空気1m3に存在できる水蒸気の最大量。湿度100%は飽和水蒸気量に達した状態)。温度が高いほど空気は多くの水蒸気を含むことができるが、温度が下がると含むことができる量が減り、水などとして現れ、上空では雲ができる。大気が含むことができる水分量に限度があるため水循環が機能している。
人間の生存に欠かすことができない水だが、世界の平均気温は上昇しているとされ、日本では夏の猛暑は珍しくなくなり、おそらく水蒸気として大気に移る水分量が世界で増えている。だが、大気が含むことができる水分量には限界があり、気温上昇により増えた水蒸気は雨や雪になって地表に戻ってくる。世界各地から集中豪雨の被害が報じられ、日本ではこの冬、各地で大雪となった。集中豪雨も大雪も水の循環が示す現象だとすると、気温上昇が続くなら、集中豪雨や大雪は今後も頻発する。
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