2026年2月4日水曜日

フェイクニュース

  SNSの世界的普及によりフェイクニュースが蔓延しているとされる。問題は、どれがフェイクニュースか、どれが事実を伝えているのか、見分けることが簡単ではないことだ。フェイクニュースには、偽情報(人を混乱させ惑わすために意図的・意識的に作られたウソ、虚偽の情報)と誤情報(勘違いや誤解により拡散された間違った情報)が含まれると政府広報HP。

 SNSに現れる誤情報の発信者は個人が圧倒的に多いだろうが、プロパガンダやデマ拡散などを狙う意図的な情報操作である偽情報の発信者は、何らかの集団や組織などと関連する人たちだろうと想像できる。「プロ」の情報操作人なら、その情報が事実であると信じさせるために高度なスキルを供えているだろう。大企業や公共機関などを装った偽メールに、うっかり騙される人が絶えない状況では、フェイクニュースに操られる人が多いことは当然だろう。

 中国の2025年の実質GDP成長率は前年比5.0%増というのが公式発表。不動産関連の停滞が続き、固定資産投資は減少したが、消費は3.7%増となるなど内需は堅調で、政府目標(5%前後)は達成したとする(名目GDPの増加率は4.0%)。また、消費者物価上昇率は前年比横ばい、全国都市部調査失業率(通年の平均値)は前年から0.1ポイント上昇して5.2%だとする。

 政府目標に合わせたかのような公式発表は中国では珍しくない。過大すぎる不動産投資のバブルが崩壊した中国が5%成長を達成できたのか疑問視する見方もあり、そもそも中国の公式発表自体を疑う見方も以前からある。計画経済と1党独裁が合体した中国では、政府が策定した目標に数字を合わせることが地方政府の責務だと皮肉る見方もある。

 2025年の中国経済は、①輸出が増え、貿易黒字が1兆ドルを超えた、②深刻な不動産不況が続いているが、不動産企業の淘汰などバブルの清算は先送り、③家電や自動車などの買い替えに対する補助金政策で消費喚起、④国内の過剰生産能力の解消は進まず、⑤過剰な生産力・供給力による圧力で値下げ競争が激化(内巻)-などが指摘される。

 中国の公式発表も、どれが事実か、どれが操作された数字なのか、外部からは見分けがつかない。おそらく、事実を表す数字と政治的に「正しい」数字が混在していたり、事実を表す数字とプロパガンダが混在しているのだろう。フェイクニュースを見破るためには発信源を確認することが推奨されるが、1国の公式発表がフェイクニュースまがいだとしたら、そうしたフェイクニュースを見破ることは困難だ。

 中国の若者失業率は20%ほどと公式発表されているが、北京大学の研究チームの調査によると、46%に上るという。実態は外部から見えないが、寝そべり族など就業できない若者が増えているとのニュースも伝えられ、順調に政府目標に沿って5%成長しているとの公式発表を信じていいのか疑心暗鬼がつきまとう。国家が公式発表する情報にもフェイクニュースが紛れているかもしれない情報社会に我々は生きている。

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