2014年7月26日土曜日
悩ましい選択(2)
国を評価する時に、政治、経済の二つの要素で見ると、どうなるか。「政治は最低だけど経済は最高だ」という国もあろうし、「経済は最低だけど政治は最高だ」という国もあろう。「政治も経済も最低だ」という国は珍しくなさそうだが、「政治も経済も最高だ」という国はごく少なそうだ。
ここに、サッカーの強弱という要素を組み合わせると、複雑に枝分かれしそうだが、サッカーの強豪国は限られているので、現実的に大半の国は「政治は〜〜で経済は〜〜だけどサッカーは弱い」となる。例えば、中国は「政治は共産党独裁で最低だけど、経済は先進国市場との結びつきによって最高。だが、サッカーは弱い」となる。
サッカーの強豪国は欧州と中南米に偏在しているが、「政治が最高で経済も最高、さらにサッカーも強い」という国はない。ドイツは、ユーロ安の恩恵で「経済は最高」だが、政治は無難なものの最高とのイメージはない。でも、サッカーは強い。オランダは家計債務が多く、政治も国際的に存在感はないが、サッカーは強い。
サッカー強豪国とされるが今回、グループリーグで敗退したスペインは不動産バブルがはじけて失業率が25%を超すなど経済は最低で、政治的にも目立たない。イタリアも経済は債務危機の影響もあって脆弱で、政治面で国際的存在感は希薄だ。イングランドは経済は堅調だが、関係が不安定なEUを動かす政治力はない。フランスは経済が低調で、政治は存在感だけはあるものの、うまく行っているとも見えない。
準決勝まで勝ち進んだのに“惨敗”イメージが先行するブラジルは、経済は最高とはいえないが、ひどいという状況でもない。政治も同様で、国内で政権批判が高まっているが、W杯招致が失政だったとはいえまい。アルゼンチンは「政治は最低で、経済は破綻しているけど、サッカーは強い」というべきか。
政治や経済が最低なことに国民は憤懣やるかたないだろうが、サッカーが強いということを、誇りの拠り所としているように見える。アルゼンチンがサッカーの強豪国であり続けることは、傍から見る以上にアルゼンチンの人々の国家意識維持のために重要な意味を持っているのかもしれない。
さて、三つが同時に「最高」になることが難しいなら、人々にとって最も「幸せ感」が高いのは、どの組み合わせなのだろうか。「政治が最高でサッカーが強い」か、「経済が最高でサッカーが強い」か。選択は難しい。「政治が最高で経済も最高だが、サッカーは弱い」という選択もあるが、これでは4年に1度の熱狂は味わえそうにない。常に冷静でいて、W杯の世界的な熱狂に冷ややかに背を向けている人々……たまにはハメを外すのも悪いことではあるまいに。
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