2014年12月20日土曜日
「改革」の真の狙い
国際オリンピック委員会(IOC)は臨時総会で「五輪アジェンダ2020」40項目全てを承認した。報道によると、▽開催都市以外の都市との「分散開催」▽夏季、冬季を問わず例外的に他国との「共催」▽開催都市に複数の種目の提案権▽28の夏季五輪の実施競技枠の撤廃▽五輪のアピールを狙った五輪テレビチャンネルの創設、などを認めた。
開催都市以外の都市との「分散開催」が認められたことで、競技場の建設遅延などが懸念されている2018年の平昌(韓国)冬季五輪の、そり競技を長野の既設施設で開催する案が出てきて、ついで韓国サイドから“見返り”に2020年の東京五輪の一部競技を韓国内で開催する声が出るなど一騒ぎになった。
オリンピックは都市が開催するものというのが建前だが、派手にショーアップされた盛大な開会式が“お約束”になり、増殖する種目に伴い多くの競技場も新設しなければならず、各国からの参加選手の宿舎や競技場周辺のインフラ整備なども必要で、もはや1都市だけでは対応できず、国の支援が不可欠となった。
オリンピックは各国から高額の放映権料を集め、世界の大企業から高額のスポンサー料を徴収するなど大金が動くビッグビジネスとなったので、もう簡略化した質素なスポーツ大会に戻ることはできまい。IOC関係などオリンピックで“食っている”連中が欧州など各国にいるのだから、転がり込む大金を手放すはずがない。
だから、大金がIOCなどに集まる構造はそのままに「改革」する。真の狙いは、開催都市が世界で絶え間なく現れることで、オリンピック開催が続くこと。オリンピックが開催され続けるなら、大金が転がり込むのだから。それで、都市が開催するという建前を取り下げ、他都市との分散開催や他国との共催を認め、オリンピックを開催するハードルを下げたのだ。
開催都市が複数種目の実施を提案できるようにしたことも、立候補する都市を増やす狙い。自国からメダリストが出る可能性の高い種目を実施できるなら、国からの開催都市への支援増加をアテにでき、都市が立候補に名乗りを上げやすかろう。
世界のスポーツ祭典とか平和の祭典とかいわれるオリンピックは、大金が動く国際的な大興行イベントに変質している。今回の「改革」は、オリンピックが肥大化しすぎて開催都市が減ることへの対応であるとともに、ビッグビジネスとしてのオリンピックの延命策だ。テレビや新聞などにとっても大イベントは歓迎だから、批判はしない。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿