2014年12月24日水曜日

拷問はローテクのまま

 世界に冠たるハイテクIT企業が多く存在する米国で、国際的な通信傍受システム「エシュロン」や、エドワード・スノーデン氏が暴露した様々な個人情報収集など、情報機関は高度な手法で情報収集を行っている。だが、容疑者を痛めつけて口を割らせるという、ローテクな情報集めにも熱心だったようだ。

 米上院情報特別委員会が公表した、ブッシュ政権下でCIAがテロ容疑者に対して行った過酷な尋問に関する調査報告書によると、平手打ちや腹にパンチを入れる、壁にぶつけるなどを始め、水責め、眠らせない、無理な姿勢を長時間とらせる、裸にして放置する、窮屈な箱に閉じ込める等、古典的ともいえる“テクニック”を用いていた。

 水責めというと時代劇では、逆さ吊りにした人の頭部を水桶の中に入れて苦しませるシーンが思い浮かぶが、CIA方式は、傾斜した板に足を上にして容疑者を固定し、鼻と口に水を注ぎ続けて苦しませたり、水を含ませた布を鼻と口にかぶせて呼吸をできなくして苦しめる。

 眠らせないためには、横にさせないこと。CIA方式は、立たせたままか無理な姿勢のままでいることを強要する。最高180時間も眠らせなかったというから、1週間か。時には、天井からの鎖に両手を頭上で繋いだまま立たせたというが、この光景はハリウッド映画などでもよく見るシーンだ。でも、映画ではたいてい、主人公側の誰かが敵方に捕まって責められる時に用いられるのに。

 無理な姿勢で苦痛を与えるために、棺桶サイズの箱に11日間閉じ込めたり、しゃがんでやっと入れる箱に1日以上閉じ込めたりしたというが、軍用品の空き箱を利用したのかもしれない。真っ暗な地下室に鎖で繋いで裸で放置したり、17日間立ったまま壁に鎖で縛り付けたりしたともいうから、拷問マニュアルがないので、現場で思いつくことは何でもやってみたのかもしれない。

 食事と水分を拒否して抵抗する容疑者には無理やり、直腸から水分と栄養補給を行ったという。口から強制的に入れれば、水分と栄養補給になるかもしれないが、直腸から、例えば「ボトル2本分の栄養ドリンクを注入」したところで、どれだけ栄養が吸収されるのか定かではない。座薬ではないんだから。

 精神的な揺さぶりも併用した。子どもを含む家族に危害を加えるとか、母親に性的暴行を加えるとか、母親の喉がかき切られるとかと脅した。これらの手法は幾つもが組み合わされ、同時並行して多くの容疑者に対して行われていたのだろう。拷問で死亡した人が1人確認され、自殺を図る人も続出したというが、その責任追及がなされる気配はない。

 ハリウッド映画なら、効果抜群の自白剤を射ったり、特製ヘッドギアから電波で脳を刺激してペラペラしゃべらせたりと、ハイテクを活用したスマートな自白強要策がありそうだが、CIAが米国外で米国人ではないテロ容疑者に対して行うのだから、費用も手間もかけるはずがない。人権に配慮しないのだから、古典的な拷問手法で済ます。

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