2015年3月18日水曜日

中国の不良債権


 中国の2014年のGDP伸び率は前年比7.4%で、初めて政府目標を少し下回り、変調を懸念する声も出ている。とはいえ、日本の2倍にもなる経済規模となった中国が7%を超す成長なのだから、まだまだ力強い歩みを続けていると言えよう。ただし、7.4%という公表された数字が実態を正しく反映していて、粉飾されたものではないという前提で、だが。

 中国経済の実態は見えづらい。共産党の独裁支配体制が続き、建前は計画経済なので、計画の未達は官僚の出世に関わってくるだろう。また、共産主義社会の理想像に合致しなかったり、共産党独裁に影響を与える情報などが正直に明かされるとも想像しづらい。情報公開が民主主義社会に必須であることが、中国を見ていると理解できる。

 中国で隠されたままなのが、不良債権がどれほどあるのかという情報。公式には、例えば、2014年9月末時点の銀行の不良債権比率は1.16%で不良債権残高は7669億元(1251億3000万ドル)などとされている。だが、銀行が抱えるシャドーバンキング関連の債務を除外しているとの指摘もあり、“闇”は深そうだ。

 中国のシャドーバンキングの規模は、論者によって「2010年末に11兆元だったものが、2013年6月末では31兆元(496兆円)と約3倍に拡大し、対GDP比では6割。この数字は、JPモルガン推計のGDPの7割よりは少なめだが、上海証券研究所、IMFのGDPの5〜6割とかなり似通っている」や「推計の総融資額は約24兆元(約384兆円)で、中国GDPの49%」など様々。

 さらには「シャドーバンキング、理財商品、地方政府債務は合計で1000兆円」とか「米ゴールドマン・サックスと米モルガン・スタンレーによると、銀行やシャドーバンキング業者、債券市場、政府部門を合わせた負債総額はGDPの220%」「ムーディーズの報告書によれば、中国のシャドーバンキングの規模は12年末には4兆7000億ドルとGDPの55%」など、巨額だろうことは間違いないようだ。

 中国のシャドーバンキングの全てが不良債権化することはないだろうが、不動産市場の変調なども伝えられており、どの程度になるのかは判らないものの、焦げ付く可能性は高そうだ。経済への「傷」をできるだけ小さくするためには、不良債権の実態を把握することが欠かせないが、政府が情報を把握しているかどうかも、情報公開が不足しているので判断がつかない。

 中国で不動産バブルが崩壊して、大量の不良債権が露となって中国経済が失速、不況に突入すれば、その影響は世界に及ぶ。中国の不良債権の実態を中国政府が正確に把握しているならば、対策を素早く打ち出すこともできようが、正確に把握しているかどうかは不明だ。対策が遅れれば、不良債権は増加する。

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