2015年12月23日水曜日
軽減税率と加重税率
議会で自民党は単独で過半数の議席を有するのだから、もう公明党と連立を続けなくてもよさそうなものだが、連立を維持し続ける。安倍政権と公明党では、目指す政治の方向性が異なる印象だが、連立を解消しようとはしない。連立することでしか得ることができないメリットが双方ともにあるから、離れようとしないのだろう。
自民党にとっては、選挙で公明党の協力が得られなくなると当選者数はガタ減りするとも言われる。公明党支持者の基礎票をもらうことで自民党の単独過半数が実現できているとすれば、公明党を手放すことはできないな。公明党にすると、連立を解消して1野党になると現在の民主党などと同様、政策に影響を与えることができなくなる。
最近では、軽減税率の導入は公明党の要求だったという。軽減税率の効果は限定的で、複雑な制度構築による負担増など弊害が多いとも批判されるが、公約に掲げた公明党が自民党に導入をのませた。消費税率の10%への引き上げと同時に、食品などは8%のまま据え置くという軽減税率。8%のままで据え置くだけなのに、軽減という言葉を冠すると、何やら負担が軽くなる印象を与える。
消費税率の引き上げは、そもそも財政健全化を目指すものであったはず。だが、軽減税率の導入により税収が減るので、新たな増税も検討されているというから、その場しのぎのドタバタ手当ての様相だ。こうして税制は複雑化して行き、官僚の裁量権限は広がる。
「名は体を表す」とは「名は、その中身や性質を的確に表すことが多い」とか「名はその実体を表している」などの意味で用いられる言葉だが、政治の世界では、名と実体は異なることが多く、名と実体が正反対のことも珍しくない。政治用語では名は「建前を表す」ものであり、各方面への妥協や配慮の痕跡を示すものでもあり、世論に対する印象操作に好都合な名が選ばれるものでもある。
軽減という名には重税感を薄める効果のほかに、消費税率引き上げから軽減税率をめぐる論議に人々の関心を誘導する効果や駆け込み消費を緩和する効果もあるかもしれない。
政治的に便利に使われる軽減という言葉の反対語は過重だ。軽減税率を導入するのなら、同時に過重税率を導入して、消費税の体系の中で税収を確保するのも一案だ。
消費税率が10%に引き上げられると同時に特定の消費品目に、例えば20%、30%などと加重税率を適用する。資産家が増えているそうだから、高額の贅沢品の消費に過重税率を適用したり、巨大な宗教団体の経済活動に過重税率を適用したりと、ちまちまと軽減税率の線引きを検討するより増収効果は高そうだ。企業の莫大な内部留保に課税するのも一案だが、内部留保は消費ではないから加重税率の適用外か。
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