2018年8月4日土曜日

クーラーがなかった頃

 2018年の夏の猛暑について気象庁は「太平洋高気圧の勢力が日本付近で強かったため」とした。7月の平均気温は東日本が平年より2.8度高く、西日本も1.6度高かった。全国の都市の観測地点153カ所中47カか所で平均気温が過去最高を更新したという。

 この猛暑で熱中症により体調を崩す人も続出、救急搬送される人は各地で過去最多となり、死亡する人も増えている。過去には熱中症で年1千人以上が死んだこともある(2010年1731人、2013年1077人)から、猛暑の危険性は明らかだ。7月下旬から北海道各地でも30度超えの日が続き、熱中症による死者が出ている。

 熱中症とは、気温が高いことなどで身体の調整機能が正常に働かなくなり、体内に熱がこもり、体温が異常に上昇することで発症する。環境省サイトでは、めまいや立ちくらみ、こむら返りなどを軽症とし、頭痛や吐き気・嘔吐、倦怠感などは病院への搬送を必要とする中等症、意識喪失や痙攣などを重症と分けている。

 熱中症になった人に対して、▽涼しい場所へ避難させる▽服を脱がせて、とにかく体を冷やす(重症者の命を救うには、早く体温を下げる)▽水分・塩分の補給(意識障害がある人に水を飲ませることは危険)▽重症者は医療機関へ運ぶ、などが必要となる。

 クーラーを積極的に使用することも呼びかけられている。クーラ一の家庭での普及率が10%を超えたのは1970年代に入ってからで、50%を超えたのは1980年代に入ってからという。だが家庭にクーラーがなかった頃の熱中症の死者数は最近より少なかったとされる。熱中症の死者には高齢者が多く、高齢化の進展が熱中症の影響を大きくしているという。

 1970年代に都内の木造アパートで暮らしていた友人は、クーラーがないので夜は窓を開けて寝たという。でも、風は全く入っては来ず、やっと寝入っても体温で寝具が熱くなり、何度も目覚め、昼は猛暑、夜は寝不足で体力は確実に低下していたという。

 当時の暑さ対策家電の主力は扇風機だが、扇風機の風を直接受けたまま寝ると、風邪をひくとか時には死んでしまうとか言われ、低体温症への注意が呼びかけられていた。クーラーが普及していない頃、熱中症への注意喚起はほとんどなかった印象だ。

 厳しい暑さを耐えて東京暮らしを続けた友人は定年退職して、親の面倒をみるため郷里に戻った。昼間の暑さは東京と変わらないそうだが、窓を開けて寝るとクーラーは要らないという。周囲に民家がなく、よそのクーラーの排熱がないので、自然な夜風が入ってくる。

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