北朝鮮が8月29日午前5時58分、中距離弾道ミサイルを順安(平城近郊)から発射した。ミサイルは6時6〜7分に北海道の上空を通過し、6時12分に襟裳岬東方約1180kmの太平洋に落下した。ミサイルの飛距離は約2700km、到達高度は550km、飛行時間は14分ほどだった。
5月に発射された時には、高度約2100㎞に達したロフテッド軌道で飛距離を抑えて発射されたが、今回は550km。報道によると、高度550㎞は低い高度だと軍事専門家は見ている(2700㎞飛行する場合、通常は高度700㎞に達するという)。北朝鮮が意図的に高度を抑えて発射したのか、何らかの不具合があったのかは不明だ。
今回、平壌近郊で午前5時58分に発射されたミサイルが、北海道の上空を通過したのは午前6時6〜7分。発射から8〜9分しかかかっていない。北朝鮮が既に実戦配備している、日本を射程に収める中距離ミサイルはもっと低い高度を飛行するだろうが、おそらく10分程度で日本に到達するだろう。
Jアラート(全国瞬時警報システム)は午前6時2分に「北朝鮮からミサイルが発射された模様」、同14分に「上空を通過した模様」と緊急警報を発し、エムネット(緊急情報ネットワーク)は同16分に「6時6分ごろ北海道地方から太平洋へ通過した模様」、同29分に「ミサイルは3つに分離し、6時12分ごろ、襟裳岬東方の太平洋上に落下したとみられる」と発信した。
北朝鮮の弾道ミサイル発射から4分後にJアラートは緊急警報を発していたのだから、注意を喚起するという意味では有効だったといえようが、日本を直接に狙うミサイルが発射された場合、数分後にミサイルが着弾すると知らされたところで人々の対応は限られる。
地震なら直前に警報を与えられることで、家具の倒壊や落下物から身を守るなどの行動をとることができるだろうが、ミサイルの落下に対して個人が、どこまで身を守ることができるか定かではない。数分前であっても警報はあったほうがいいかもしれないが、個人の生死は運次第であることは変わらないように見える。
今回のJアラートがミサイル発射の直後に警報を発したことは、北朝鮮に向けての警報でもある。平壌近郊のミサイル発射を瞬時に察知する情報収集能力を日本(米国?)が整えたことを明らかにし、それは軍事的に、北朝鮮がミサイルを発射したなら即座に反撃できることを意味する。わざわざ情報収集能力を明らかにしたのは、おそらく米軍が態勢を整えていることをも示唆しているだろう。
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