2018年3月14日水曜日

ファースト・スター

 宇宙最古の星であるファースト・スターに由来する電波を初めて検出したと米などの研究チームが発表した。検出された電波は136億年ほど前に存在していたファースト・スターの活動を示すもので、その痕跡が宇宙背景放射に残っているという。

 ファースト・スターとは宇宙で最初に誕生した星々のこと。宇宙誕生(138億年前)後の2億年以内に水素が集まって誕生した太陽の40〜100倍の質量という巨大な恒星で、紫外線を放射したと考えられている。質量の大きい星ほど寿命が短く、ファースト・スターは数百万年ほどで寿命を終えたと見られ、現在の宇宙には残っていない。

 ファースト・スターに由来する電波だと認められるためには、他の研究者らによる観測でも同様の結果が得られることが必要だが、報道によると、ノーベル賞を受賞した2015年の重力波検出以降で最大級の天文学的発見だとの声も上がっているという。

 ファースト・スターが誕生して宇宙の暗黒時代が終わった(『ミクロの窓から宇宙を探る』藤田貢崇)。宇宙の暗黒時代とは、宇宙誕生の38万年後の宇宙の晴れ上がりから数億年のことで、宇宙では水素やヘリウムが均等に分布していたので恒星が誕生しにくかった。暗黒物質(ダークマター)に水素やヘリウムが引き寄せられてファースト・スターが生まれたと考えられ、今回の検出により暗黒物質の解明が進むとも期待されている。

 地球も人類も存在していなかった頃なのに、ファースト・スターがあったと考えられるようになったのは、現在の宇宙に存在する古い星に含まれる重い元素の割合が多いため、宇宙創世の初期に巨大な恒星が存在して、超新星爆発をして重い元素を撒き散らしたと見られているからだ。

 どうやって重い元素はできたか。質量が重い恒星でも中心核で核融合によりつくられるのは鉄までで、鉄より重い元素は超新星爆発の時の途方もないエネルギーにより核融合が連鎖的に起こってウランまでがつくられる。ファースト・スターが存在して、最後に超新星爆発をしたと考えるなら、現在の宇宙の説明がつく。

 鉄より重い元素は地球にも大量に存在し、それらを人類は様々に利用・活用し、近代文明をつくりあげた。地球に存在する重い元素にもファースト・スターが残してくれたものが含まれているだろう。我々はファースト・スターのかけらとともに生きているのだ。

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