2018年4月14日土曜日

それぞれの「成果」

 北朝鮮がトランプ政権に対し、朝鮮半島の非核化に関して米朝首脳会談で協議する意向を直接伝えてきたと報じられた。「北朝鮮の非核化」と「朝鮮半島の非核化」は意味するものが大きく異なる。朝鮮半島の非核化は、北朝鮮とともに韓国(在韓米軍)の非核化も意味し、その検証を北朝鮮は求めようが、米国は応じないだろう。

 核実験とミサイル発射を繰り返して緊張を高めてきたのは北朝鮮だから、緊張緩和を目指すなら、北朝鮮の非核化とその検証方法が首脳会談のテーマになるはずだ。だが、核兵器やミサイルは北朝鮮にとって対米交渉の切り札だから、簡単には手放すはずがない。まず朝鮮半島の非核化という高い要求を米国に突きつけ、主導権を握ろうとしている。

 米国との首脳会談を北朝鮮が望んでいると韓国が米国に伝え、すぐにトランプ政権が受け入れたと伝えられている。本当に北朝鮮が米国との首脳会談実現を期待していたのか、拒絶されることを見越して平和を望む姿勢を装っただけなのか判断できないが、米国との首脳会談を行うなら北朝鮮側は何らかの成果を得なければならないだろう。

 国連による制裁決議が強化されている中で、北朝鮮の一方的な言い分を米国が容認する可能性はほぼない。緊張緩和へ向けて北朝鮮の非核化などの具体的な対応を表明することが北朝鮮に求められる。しかし、核兵器やミサイルを放棄したなら北朝鮮は、ただの貧しい低開発国になり、米国など大国と対等な立場には立てない。

 北朝鮮にとって米国との首脳会談は、北朝鮮と米国が対等であるとイメージづける最高の舞台だ。北朝鮮にとって米国との首脳会談は、実際に行われることが最大の成果であろう。だから、互いに言いっ放しに終わったとしても構わない。むしろ、北朝鮮が一歩も譲らず、一方的な主張を行ってプロパガンダの場とすることで、成果があったとするかもしれない。

 米トランプ政権は、北朝鮮を国際舞台に引っ張り出すチャンスを逃さなかった。何らかの譲歩を北朝鮮に飲ませればトランプ政権の成果であり、互いに言いっ放しで物別れに終わったとしても、平和に向かうチャンスを拒否したとして北朝鮮をさらに批判することができる。米国にとって北朝鮮との首脳会談は、成功してもしなくても、行ったことが成果になる。

 互いに譲歩するつもりがなく、互いに言いっぱなしで終わっても良いとする首脳会談だから、米国と北朝鮮はともに、開催するだけで成果があったとするだろう。和解に向けての第一歩とするのか、さらなる対立を正当化するステップとするのか、おそらく首脳会談の前に決まるだろう。

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