2018年4月7日土曜日

様々な輪廻転生

 チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世の後継者の選出をめぐり、各派の高僧が集まって、選出方法の議論を始める計画があると報じられた。これは後継者指名に中国政府が介入する恐れがあり、それを防ぐためだ。中国政府はパンチェン・ラマ11世を独自に指名し、ダライ・ダマ14世が指名した後継者を監視下においている。

 伝統的な選出方法(「輪廻転生」制度)では、ダライ・ラマ死去後に生まれ変わりを探すのだが、年単位の時間を要する。その間に中国政府が独自にダライ・ダマ15世の指名を強行する可能性が高く、また、ダライ・ラマ14世が「輪廻転生制度を廃止すべきだ」と発言していることから、新たな後継者選出制度を検討すると見られる。

 死んで肉体が滅びても霊魂は様々の形でこの世に何度も帰ってくるという輪廻転生の発想は、古くから世界各地にある。輪廻転生が事実であるかどうかは検証不能だが、古くから広く共有されてきたのだから、ある種の実感(あるいは願望)に基づいているのかもしれない。

 検証不能であるから輪廻転生は、①霊魂は動植物を含め多様な生命の間で生まれ変わる、②霊魂は人間の間でのみ生まれ変わる、の2説に大別される。どちらが正しいのか、あるいは、どちらも間違っているのか誰にも判別できないが、チベット仏教の最高指導者の霊魂は後者であるらしい。

 生まれ変わりを主張する人の中に、前世の記憶があるとする人もいる。もちろん、そのような前世の記憶は検証不能だから、否定も肯定もできない。つまり、どうとでも前世を主張できるのだから、自分の前世は歴史上の有名人であると誰でも主張できる。中には、前世は宇宙人だったと主張する人もいるそうだ。

 先日、ある若いアメリカ人が自分の前世はカフェのテーブルだと言い出した。人が集まっていて、ワイワイガヤガヤと賑わっているのが好きだから、前世はカフェのテーブルだったに違いないと言う。カフェのオーナーではなくテーブルを選ぶところが彼女の控えめな人柄を反映している。

 輪廻転生の範囲を生命体に限らないとなれば、前世の可能性は限りなく広がる。日本には物質にも霊が宿って妖怪になるという考えがあるので、前世がカフェのテーブルという発想もありかもしれない。ただ、霊が宿ったテーブルは閉店後のカフェ店内でいたずらをしそうだな。

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