北朝鮮が核実験やICBM実験を停止し、北部にある核実験施設の廃棄を決定したと報じられた。平和と経済成長を実現するために国際社会との対話に取り組む意向だとされ、緊張緩和への自主的かつ具体的な動きだと歓迎する向きもあったが、北朝鮮は「核兵器開発を完了したため、もはや核実験やICBMの発射実験を行う必要がなくなった」と、核兵器の保有は続けることを主張している。
北朝鮮は2018年2月に開催された平昌冬季五輪に選手団を参加させ、続いて、韓国との首脳会談、さらには米国との首脳会談を決め、冷却化が取りざたされていた中国とも、金正恩委員長が訪中して習近平国家主席と会談して関係修復を図るなど、北朝鮮が一連の「平和攻勢」で主導権を取っているように見える。
北朝鮮が緊張緩和へ向けて路線修正を行ったとすれば歓迎すべきことだが、その路線修正がどこまで信用できるのかは不明だ。対話路線に転じたとしながら、ひそかに核兵器やICBMの開発を続けてきた過去が北朝鮮にはあるので、今回の路線修正も核兵器やICBMの高度化のための時間稼ぎにすぎないとの疑いは残る。
そうした中、核実験施設が使用不能になったため北朝鮮は核実験を続けることができなくなり、対話路線へ転換(あるいは、時間稼ぎのため対話路線を偽装)せざるを得なくなったとの可能性が具体的に示された。核実験施設が使用不能になったことを北朝鮮はうまく利用していることになる。
中国の地震学者によると、北朝鮮北東部の万塔山の地下にある豊渓里核実験場で2017年9月に核実験が実施されたが、その直後に起きたM4.1の地震により、爆発場所から440メートルに渡って山の内部の岩が崩落、山中に空洞ができたという。この崩落により万塔山の地下施設が使えなくなるとともに、放射能漏れの恐れがあるともした。
豊渓里核実験場では、北朝鮮が行った6回の核実験のうち5回が実施された。昨年9月には水爆を用いたとする実験を北朝鮮は実施したが、その後に地震が頻発し、最大ではM6.3の地震も起きていた。これらの地震が自然現象なのか、地下核実験の影響によるものなのかは不明だ。
ただし、核実験により山の内部で一部に崩壊があったとしても、付近一帯にトンネル網を北朝鮮は構築しているので、核実験場として使用不能であるとは断定できないと米国の専門家は疑問を呈する。核実験停止を宣言しても北朝鮮は、実験場への外国人の立ち入りは認めないだろうから客観的な検証はできない。
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