2018年5月19日土曜日

溢れ出る溶岩

 米ハワイ島のキラウエア火山で噴火活動が活発化し、噴煙を上げ、地面にできた亀裂などから溶岩がゆっくりと流れ出て、住宅や道路に迫る様子がニューズ映像で報じられた。地震も頻発し、高濃度の二酸化硫黄が放出されていて、付近の住民に避難命令が出た。

 ハワイで最も活発な火山であるキラウエア火山は噴火活動を長く継続しており、世界的にも有数の活発な火山とされる。キラウエアの活発な火山活動が長く続くのは、地下でマグマからの大量のエネルギー供給が続いているからだ。

 地球内部のマントル内では巨大な上昇・下降流であるプルームが生じており、高温のマントルが上昇するホットプルームで、大規模なものが地表に達すると巨大で激しい火山活動を発生させ、地球の気候に大きな影響を及ぼすと考えられている。ハワイ島の地下には小規模なホットプルームがあるとされ、それがハワイの火山活動を長く続けさせている。

 ハワイ諸島のように地下に小規模なホットプルームが存在し、火山活動を活発化させている場所をホットスポットと呼ぶ(小規模というのは地球スケールで見た比較)。ハワイ諸島が誕生したのも火山活動によるもので、海底で噴き出した溶岩が堆積して火山島を形成した。

 地下深くのホットスポットの位置はほとんど動かないと考えられているが、地表のプレートは動いている。ハワイ諸島からアリューシャン海溝まで火山島や海底火山(海山)が点々と連なっているのは、ホットプルームからマグマが地表へ到達するルートができて火山島を誕生させるが、その火山島が太平洋プレートとともに移動したことを繰り返した結果だと見られている。

 キラウエアがあるハワイ島は40万年以前に誕生したという。こうした火山島は活発な火山活動により海底から海面高く立ち上がるが、やがてプレートの移動によりホットスポットから離れるにつれて火山活動が停滞し、海水による侵食のほうが勝るようになると次第に削られていき、海面から姿を消すことにもなる。

 環境保護などの運動には、現在(あるいは少し以前)の状況を基準として、変化を悪いものとする発想が含まれる。しかし、地球は常に変化しており、環境的に何が基準となるべきなのか、地球史からは「正解」はない。溶岩や有毒ガスの噴出など人間にとって不都合な環境破壊も、地球環境としては自然な状態の一つである。

 人間の時間軸と地球の時間軸は全く異なる。人間の時間軸で人間は生存環境を好都合なものにしようと考えるが、人間の生存環境も人間も地球の変化に対して無力だ。地球の時間軸からすると環境破壊などというものは存在せず、宇宙の時間軸からも環境破壊は存在しないだろう。

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