マガキ(真牡蠣)は全国各地で養殖されていて、10月〜4月に水揚げされ、旬は12月~2月ごろだ。夏は産卵期で、蓄えた栄養を放出してしまうので水っぽくなり、味が落ちるという。だが、岩ガキの旬は6月~8月ごろで、春に旬を迎える産地もあり、春牡蠣としてブランド化して販売している産地もあり、厚岸(北海道)は低水温で成長が遅くなる性質を利用して、1年中出荷している(本田水産HP)。
カキといえば「Rが付かない月は牡蠣をたべるな」との欧州由来の警句がある。欧州ではカキの生食が古くから行われていたので、「あたると怖い」と食中毒への警戒を呼びかけた言葉だ。現在では、カキの生育環境の衛生基準が厳しく、冷凍冷蔵の設備や流通が整っているので年中、カキを食べることができるようになった(生食用はすぐ食べ、他は中心部までよく加熱すること)。
富士山の初冠雪が報じられて、冬の到来を意識した友人はふと、「何年もカキフライを食べてない」ことに気づいたという。仕事であちこち動いていたころは外食が多かった友人は、冬場になるとカキフライ定食がお気に入りで、昼食に入った飲食店でメニューにあると、よく注文していたそうだ。
定年後の再雇用を断り、放置されていた実家に戻って「農家のマネゴトを始めた」と友人。マネゴトというのは、専業農家のように収穫量増加を目指さず、自家用を目的に多くの種類の野菜を育てるが、獲れすぎた場合にだけ野菜を友人知人に送るという形態だからだ。野菜を方々に配るボランティア農業だと言う友人は、こどもの頃に手伝わされていたので、農作業のコツはすぐに思い出したという。
「久しぶりにカキフライを食べたい」と思い始めると我慢できなくなり、近隣では知られているトンカツ店に出かけた友人は、メニューを見たが、カキフライがない。店員に聞くと、「今年は遅れていて、まだ、やってないんです」。高まっていたカキフライへの思いが一気にくじかれ、他のメニューを見ても、どれも魅力的には思えなかったという友人は、1時間近くかけて出かけてきたのだからとカツカレーを注文したそうだ。
海水温の上昇で死滅するカキが増えたり小ぶりにとどまり、収穫量は減っており、今年は全国的に品薄で、取引価格は2倍ほどに高騰していると報じられている。こうした傾向は数年続いており、海の環境の変化が養殖事業にも大きな影響を及ぼしているようだ。「まだ牡蛎の身入りは弱く、全体的に水っぽい牡蛎がほとんど」「販売開始は11月中旬以降となる見通し」だったが「多少の遅れが出る模様」(仙台かき徳HP、11月5日投稿)。
カキフライを年中提供する居酒屋などがあるが、「あれは冷凍物を使ってるんだろう。小さなカキフライばかりで、カキを食べたという満足感が薄い」と友人。カキフライのカキは大ぶりでなければいけないと主張する友人は「あのトンカツ屋は、産地で今年採れたカキだけを使っているんだな。いいカキフライを出してくれそうだ」と期待を新たにし、年末ごろにまた出かけていくと決めた。
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