ローリング・ストーンズが欧州ツアーを始めた。5月17日のダブリン(アイルランド)から7月8日のワルシャワ(ポーランド)まで、英国内を中心に14回のライブが予定されている。動画投稿サイトには、観客が客席から撮影した多くの動画が各地のライブ翌日には投稿されていて、様子を知ることができる。
巨大なスマホ画面のような縦長のスクリーンが4面設置され、正面から通路が伸びてセンターステージにつながるというセットは昨年の欧州ツアーと変わっていないようで、演奏が適当にラフなのは、いつもと同じか。ラフといっても、それで数万人の観客をグルーブさせる力を持っているのも、いつもと同じ。
さすがにステージの端から端まで走ることはなくなったが、ミック・ジャガーの動き回るステージパフォーマンスは健在だ。若い頃に比べると声は低くなり、息が続かなくなっている印象も受けるが、年齢を考えれば、それも自然なことか。
昨年のツアーでは久しぶりの新譜「ブルー&ロンサム」からブルーズナンバーを数曲演奏していたが、今年はお馴染みのナンバーが主となっている。演奏可能な50曲ほどの中から、その日の演奏曲目を選んでいるというが、変わるのは数曲だけで、演奏曲目はほぼ固定している。
長年にわたり演奏曲目のほとんどが毎回同じだから、マンネリと批判されても仕方がない。だが、ファンは世界各地でストーンズを聞き、見るために集まる。ストーンズが放ったヒット曲の数々、ロックのスタンダードになるだろう曲の膨大さを考えると、無理に新しい曲を演奏せずとも、お馴染みの曲を聞くだけでもファンは満足し、楽しむことができる。それが長く活動してきたストーンズの強みだ。
お馴染みの曲目では演奏もほぼ毎回同じだ。アレンジを変えたりはせず、ライブならではの即興も控えられ、キースが弾くギターソロのフレーズもほぼ同じ。演奏と照明や映像をシンクロさせる構成のステージショーになってしまったので、興に乗ったからとてミュージシャはもう勝手な演奏はできないのかもしれない。20世紀は遠くなりにけり、か。
若かりしころのストーンズは革新者であった。ブルーズやR&Bなど米国の黒人音楽を世界に広めるとともに独自の音楽を創造し、また、様々な規範を逸脱して自由に生きることが可能だと示して見せた。今の彼らは、かつての彼らのイメージをなぞっているだけに見える。言い換えれば、伝統となった彼らの音楽を保守している……が、それでいい。彼らは世界に多大な貢献をしたのだから、ファンはお馴染みの曲を楽しめばいい。ストーンズだって楽しんでいるはずだ。
なお英ロンドンでの5月22日のセットリスト=①Street Fighting Man、②It's Only Rock' N' Roll (But I Like It) 、③Tumbling Dice、④Paint It Black、⑤Ride Em On Down、⑥Under My Thumb、⑦Fool To Cry 、⑧You Can't Always Get What You Want、⑨Honky Tonk Women、⑩Before They Make Me Run、11)Slipping Away、12)Sympathy For The Devil、13)Miss You、14)Midnight Rambler、15)Start Me Up、16)Jumpin' Jack Flash、 17)Brown Sugar、18)Gimme Shelter、19)(I Can’Get No) Satisfaction。
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