2回目の米朝首脳会談を終えた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が3月2日、ベトナム首都ハノイを車で出発し、ベトナム北部ドンダン駅から特別列車で中国経由で帰国の途につき、5日午前3時に平壌駅に到着したと報じられた。列車は北京や広州を経由しなかったという。
ハノイへ向かったのは2月23日午後。平壌駅を特別列車で出発し、丸2日以上も中国を南下し、26日早朝にベトナム北部のドンダン駅に着き、ハノイ市までの約170kmを特製ベンツで移動、2時間半ほどでハノイに入った。
特別列車は往復ともに4000km以上をほぼ3日かけて移動した。国家の最高権力者はスケジュールがぎっしり詰まっているだろうから、長距離の移動には専用の飛行機を使う。時間がかかっても列車での移動を北朝鮮が選択したのは、独裁者だからスケジュールなどは、どうにでも調整できることを示している。
北朝鮮の専用飛行機は旧式だとされるから、安全性を重視したともされる。頑丈な装甲を施したであろう特別列車には墜落の心配はなく、途中の通過ルートも中国が厳重に警備していたと伝えられ、特別列車には宴会施設もあるというから、金正恩氏はハノイに向かう時には、会談の成功を信じて前祝いしていたかもしれない。
約20両編成とされる特別列車にはおそらく、平壌に戻ってくるまでに必要な食料や飲料を積んでいたであろう。選挙がある国では指導者は視察先で地元の名物を食べてみせたりするが、そんな“危険”なことは金正恩氏はしない。さらに金正恩氏が外遊するときには、健康状態も極秘事項なので自前のトイレを携行し、排泄物も持ち帰るというから、特別列車に積まれていたのだろう。
今回の特別列車のルートは、平壌ー丹東ー天津ー武漢ー長沙ードンダン(ベトナム)の最短コースだったという。ほぼ3日も列車に乗り続けるのは普通なら退屈するだろうが、乗り鉄なら興味を持つだろう。この特別列車の速度は時速60〜70kmというから、車窓から風景を楽しむには適している。
中国の鉄道というと、急速に路線が拡大した高速列車に注目が集まるが、広い中国の各地を巡る長距離の観光寝台列車が登場したなら、世界からも鉄道ファンが乗りに行くかもしれない。中国国内を走る“シベリア鉄道”のイメージだ。そのためには外国人が鉄道利用をしやすく、規制や制限、監視などを緩める必要がある。
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