米ボーイングの旅客機「737MAX8」がエチオピアで離陸直後に墜落し、乗客乗員157人が死亡、生存者はいなかった。エチオピア政府の調査報告書は、離陸直後に自動で機首を下げる装置が作動し、パイロットは3回、手動で機首を上げる操作をしたが、その度に機首は自動的に下げられ、墜落したとする。
この機種はインドネシアでも昨年10月、墜落事故を起こし、189人が死亡していた。インドネシア国家運輸安全委員会の報告書では、墜落した機体は自動安全システムが作動して機首が20回以上も下がり、その度に操縦士が手動で修正していたが、墜落した。安全システムが作動したのは、機首の傾斜角度が実際よりも高いと誤って認識されたためという。
機首を下げたのは、旅客機の失速を防ぐ目的の操縦特性向上システム(MCAS)。機首に水平に対する角度を測定するセンサーがあり、機首が上がりすぎていると判断した時には、システムが機首を下げる。機首が上がりすぎているとの誤った情報によってシステムが機首を下げ続け、パイロットが制御できなくなって墜落したようだ。
エチオピア政府の発表を受けて米ボーイング社は、2回の墜落事故の原因が「いずれも制御システムの誤作動だった」と認めた。インドネシアでの墜落事故の後に737MAX8の飛行停止を決めていれば、エチオピアで157人が死ぬことは防ぐことができただろうから、ボーイング社の責任は大きい。
旅客機には自動操縦装置がすでに導入されている。それは「航空管制からの指示や外部環境情報などをもとに、パイロットが高度・方位・速度・目的地などを設定することで、自動で航空機を操縦する」(国交省サイト)もので、巡航飛行や降下、着陸で使われ、離陸はパイロットが操縦する。
737MAXで採用した省燃費の新型エンジンは従来より大型になったため、取り付け位置を従来の737型機より前方に変更した。このため、機首が上がりやすくなり、その対策としてMCASを導入した。失速を防ぐためのMCASを導入しなければならなかったことは、機体の基本設計に問題があることを示している。
自動操縦(自動運転)システムは自動車で開発が急がれている。今回の737MAXの墜落事故は、①センサーからの誤った情報を排除できるか、②入力された情報が誤っているとシステムが識別できるか、③誤った情報によるシステムの暴走を防ぐことができるかーー多くの課題を突きつけた。混み合った道路はセンサーが誤認しやすい情報に溢れている。
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