ある女性タレントが自らのブログで舌がんであることを公表し、マスコミに大きく取り上げられた。1か月以上の後、さらに食道がんがあることを公表し、これもマスコミに大きく報じられ、ファンからは多くの励ましのメッセージなどが届いたという。
がんに罹患していると判明した時に受けるショックは大きいだろうし、不安な気持ちに圧倒されて相手構わず自分の病について話したくなることもあるのかもしれない。だが、どんな病気に罹患しているかは個人情報の最たるもので、政治家や権力者では健康状態に関する情報は秘匿される。
芸能人は時に、自分のプライバシーが保護されるべきだと強硬に主張する。その一方で、進んでプライバシーを公開し、マスコミに報じさせることがある。保護されるべきプライバシーと、公開していいプライバシーの境界は曖昧でぼやけている。邪推するなら、好感や利益を得ることができるなら取材させて公開し、何か都合が悪いことは「プライバシーだ」と隠す。
がんを公表した今回の女性タレントの真情を知る手がかりは乏しく、がんを公表した意図や事情は定かではない。いずれマスコミに嗅ぎ付けられるから、それならと自分から発表したのかもしれないし、ブログという一方的な情報発信形態がプライバシーをさらけ出しやすくしたのかもしれない。
がんを公表する芸能人は珍しくなくなった。治療のため芸能活動を休止せざるを得ないから、マスコミ報道をコントロールするために公表するのだろう。同情を集めつつ、好感度を下げる可能性は低いから病気の公表が増えたのかもしれない。がんに罹患した芸能人が皆がんを公表するわけではないが、がんに罹患していたと後から公表する芸能人も多い。
保護すべきプライバシーに敏感な芸能人が、がんに罹患したことを公表するようになったので、がんが芸能人のプライバシーに含まれなくなったようにも見える。テレビ番組で健康診断結果を放映させる芸能人もいるのだから、がん以外の病気も含めて芸能人の健康状態はプライバシーに含まれないと認識が変化した?
がんに罹患したと公表する芸能タレントが増え、NHKなどがニュースで報じる。ニュースの価値判断は時代とともに変化して当然だが、タレントの健康状態まで重要なニュースになったらしい。知りたくもない他人の健康状態を、タレントだからと見せつけられる時代になった。がんに罹患したことを自ら公表するタレントにプライバシーはない。
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