2019年5月18日土曜日

気候変動対策を求める少女

 16歳のスウェーデン人少女グレタ・トゥーンベリさんが一人で、気候変動対策を政府に求める行動を始め、賛同者が増え、欧州など各国で同様の運動が広がった。小学生の参加者もいるそうで、学校を休んで運動に参加する「気候のための学生ストライキ」も各国に広がっているという。

 注目を集めたこの少女は、EUの諮問機関でEUの温室効果ガスの削減目標を倍増するよう訴え、COP24(第24回気候変動枠組条約締約国会議)に出席して「あなた方は、子どもたちの未来を奪っています」「政治的に何が可能かではなく、何をする必要があるのかに目を向けようとしない限り、希望はありません。危機を危機として扱わなければ、解決することはできません」と訴え、ダボス会議で講演し、各国に招かれて抗議活動に参加したりと国際的な活動家に「成長」した。

 少女は「気候変動に対する危機感とその行動力が評価され、ついにはノーベル平和賞の受賞候補となった」と報じられるほどで、国際的に大きな影響力を持つに至ったようだ。この少女は真摯に考え、気候変動が避けられない確実な将来で、「今の文明の終わりを導くかもしれない」と危機感を持ったのだろう。だが、この少女には、何かの目的のために利用されている気配が常に漂う。

 気候変動対策を求める少女が「なぜ国際的に注目されるのか」という問いは、「なぜ国際的に注目される存在に仕立てられたのか」と読み替えることができる。各種の国際会議に参加して講演するのは、誰にでも可能なことではない。おそらく環境保護運動団体や環境保護運動家がシンボルまたは広告塔として少女に、注目される場を用意したのだろう。

 この少女は「CO2放出量を50%削減するなどの永続的な変化を、社会のあらゆる面で起こさない限り」、もう後戻りできない破滅的な状況が実現すると確信しているそうだ。「確実なことは誰にもわかりません」と気候変動が予測であることに留意しながらも、CO2放出量を削減ではなくゼロに、さらにマイナスにしなければならないと主張する。

 CO2の排出増加が温暖化の原因であるとの仮説が正しければ、CO2排出量をゼロにすべきという少女の主張は当然だ。しかし、気候変動の危機を訴える「大人」たちは、例えば、排出量取引など気候変動をビジネスにすることには熱心だが、CO2排出量をゼロにしようとはせず、ましてCO2排出量をマイナスにしようなどとは言いださない。

 想定される将来の危機に、この少女は過敏に反応しているとも真っ当に反応しているとも解釈できる。解釈の違いは危機感の違いであろうし、気候変動に対する考え方の違いである。ただ、学校に行かずに抗議運動に専念する少女を諭しもせず、称賛しつつ利用する「大人」たちの姿が見え隠れするのは、気候変動対策を求める運動の醜い一面を示唆している。

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