2019年7月10日水曜日

任期を短くする

 毎年のように首相が交代していたことが日本でもあった。任期途中で交代せざるを得なかったのは、批判が集中して政権運営が困難になったからだ。短期かつ任期途中の首相交代は政治を不安定化させ、行政を停滞させるなどとして忌避すべきこととされている。

 毎年のように首相が交代するよりも、ある程度は長く続けているほうが安定しているように見える。政治課題の中には長期的な視点で取り組まざるを得ないものも多いから、ある程度は長く続く政権なら、それらにも対応できると見られたりする。

 だが、首相など最高権力ポストに個人が長期にわたって居座ることの弊害もある。第一は、ポストに与えられた権力を個人に与えられた権力とする混同、第二に、権力を握り続ける個人への阿諛・追従・忖度の蔓延、第三に、権力を握り続ける個人の価値観が政策に反映されすぎるようになる、など。

 最高権力者の任期は国により様々で、1期のみで再選を認めない国も珍しくない。持てる能力をフルに政治家に発揮してもらうために、どんな制度や任期が「正しい」のかという問いに、おそらく「正解」はない。

 だから、最高権力者の任期が1年で再選禁止であっても間違った制度・任期とはいえない。短い任期に伴う問題点を想定し、そうした制度を機能させるために仕組みを考え、構築することができれば、最高権力者の毎年の交代が、政治の停滞に結びつくことはないだろう。

 短い任期による最大の問題は、政治課題に長期的視野で取り組むことが阻害されかねないことだが、官庁の政策提言機能を強化してシンクタンク化する(同時に政党・政治家による官庁コントロールも強化する)なら、任期に左右されない長期的視野での取り組みも保たれるだろう。

 1年で最高権力者が交代することは、次々に新しい人が政権を担うことである。重職に耐えうる人材がすぐに枯渇するとの懸念もあるが、若返りが強制的に行われて、有能な30歳代の首相が誕生するかもしれない。それに、問題があっても長々と最高権力者の地位にしがみつくような政治家をあらかじめ排除できる。

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