ゆるキャラは子供向けのマスコットキャラクターだから、可愛らしさや親しみやすさを過剰にアピールした造形だ。何かの理念や地域の特性などの表現を追求したというより、ウケて人気を得ることが優先されているらしく、簡略で幼稚ともいえる表現となる。
近頃では、ゆるキャラを見て子供達ばかりか大人も歓声を上げ、群がったりする。ゆるキャラの可愛さに加え、ある種のルーズさを面白がる気分は理解できないでもないが、大人がまともに向き合って愛でる対象ではないだろう。もてはやす人たちの気持ちが不思議だ。
「カワイイ」は日本が世界に発信する文化的価値観だが、ゆるキャラのカワイイには、ウケ狙いのあざとさが見え隠れする。自然にカワイイのではなく、カワイイを演じていることが明確だから興ざめとなる。子供相手だから簡略で幼稚な造形で済ますが、実は大人にもウケることを期待している心根が見えすく。
マスコットキャラクターは菓子や玩具などの企業が販促用に設定するものだったが、今では全国の地方自治体が話題づくりや地方振興などを狙い、わざと「ゆる〜く」作ったキャラクターをイベントなどに動員する。ゆるキャラが少なかった頃は、それなりに特別だったのだろうが、こうも全国に増えすぎては新鮮味は薄れ、個性は埋没するばかりだ。
子供が喜ぶから親も、ゆるキャラを歓迎しているのかもしれないが、子供と同等に楽しんでいる親や大人だけでも喜んでいる様子を見かけることは珍しくない。大人も漫画やアニメに親しんで成長したので、人工的なキャラに抵抗がなく、受け入れて楽しむとも解釈できる。つまり、漫画やアニメが大人の文化にもなったと同様、ゆるキャラも大人の文化になりつつある?
過疎化が進む全国の地方にとっては、地元に大したアピール材料もないと都市の人々に無視されるよりは、ゆるキャラであっても話題になればいいという切実な思いもあり、そこに、都会のコンサルの営業活動が奏功して、ゆるキャラが一気に全国で増えたのかもしれない。でも、ゆるキャラが増えすぎて、ゆるキャラを作っても話題にならないという皮肉な状況だ。
ゆるキャラはイベントでは添え物という位置づけが本来だろう。その脇役が主役に仕立て上げられていることに対する違和感が、ゆるキャラ嫌いともなる。そうした違和感を吹き飛ばすほどの強烈な個性を持つキャラクターが存在するなら、ゆるいキャラクターではなくなる。
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