強風や干ばつなど悪条件の中で、米ロサンゼルス近郊で発生した複数の山火事が広がった。高級住宅街を含む各地の住宅地に延焼し、1万棟以上が焼け、焼失面積は合わせて約160km2(12日現在)。避難命令の対象は最大18万人以上に及び、死者は24人だが、火災は鎮圧されておらず、連絡が取れない人も多いとされ、死者が増える可能性を地元当局は示唆している。
バイデン大統領は「州の歴史で最悪の山火事だ」と述べ、山火事による損害額は1350億~1500億ドル(約21兆~約24兆円)に上るとの推計が出ており、米国で発生した山火事の損害額としては最悪となる可能性が高いと見られている。カリフォルニア州では毎年、山火事が多く発生しているが、今回は住宅地にまで延焼が広がる大規模な山火事だった。
日本では山火事による大規模な都市火災は少ないが、 失火による都市火災は全国各地であり、それにも増して多いのが地震による大規模な都市火災だ。強い地震により複数カ所で出火し、地震直後だから消火活動は限定されるので燃え広がり、1区画が全焼したり、さらに広く燃え広がることもあった。
1923年の関東大震災では、「かまどや七輪から同時多発的に火災が発生し、水道が断水したため最新の装備も役に立たず、強風によって火災は延焼し、消防能力を超えた」(内閣府HP)ため、「多くの火災が発生し、人的被害の多くは火災によるものであった(火災による死者は約9万2000人)」「焼失家屋は21万2353棟」(総務省HP) 。陸軍被服廠の跡地では火災旋風の影響で約3万8000人が亡くなった。
1995年の阪神大震災では死者6434人、負傷者4万3792人、住家の全半壊63万9686棟、水道断水は約130万戸、ガス供給停止は約86万戸、停電は約260万戸などの被害を出した。地震後に285件の火災が同時多発し、「古い木造家屋が密集している地域などで大規模火災へと延焼拡大」(内閣府HP)し、全焼家屋6965棟などの大きな被害を出した。
死者の4分の3は、家屋の倒壊や家具などの転倒による圧迫死で、焼死は約1割とされる。だが、神戸市では大規模火災へと延焼拡大したので、家屋の倒壊などで身動きができない人を、家族や地域住人が助け出そうとしても人力では助け出すことができず、延焼拡大の犠牲になった人が多いとの指摘もあり、死因の特定は難しく、焼死者数はもっと多いかもしれない。
消防体制の能力には限りがあり、山火事でも都市火災でも大規模になると対応は後手後手になる。山火事でも地震後の都市火災でも火災現場に近づくことが簡単ではなかったり、強風下では延焼速度や方向が変化したりするので、消火活動は制約される。地震などによる停電や断水などに備えることはできるが、大規模な火災には備えることはできず、火災が迫る中で人間にできるのは逃げることだけだ。火災だけではない。津波にも集中豪雨にも土砂災害にも人間にできることは逃げることだけだ。
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