2025年2月8日土曜日

さんぱち豪雪

 気象庁は豪雪を「著しい災害が発生した顕著な大雪現象」とし、昭和38年1月豪雪や平成18年豪雪を例として挙げる。今年は東北から北陸などにかけての日本海側や北東北、北海道などで大量の降雪が続き、積雪が2m、3mを超す地域もあると報じられており、雪下ろし中の事故による死者も各地で相次いでいる。

 大陸にある強い寒波が南下する時に日本海で大量の水蒸気を含み、日本列島の各地の山にあたって上昇することで雪を降らせるのだが、強い冬型の気圧配置の中で、雪雲が次から次と現れて雪を降らし続ける地域では大雪になる(日本海寒帯気団収束帯=JPCZ =が形成される)。夏などに線状降水帯によって大雨が続く地域があることと似た現象だ。

 大雪は特異な自然現象ではない。2021年(令和3年)1月には短時間に強い降雪となり、各地で短期間に1mを超える積雪となり、北日本から西日本にかけて広範囲で大雪・暴風となり、九州などでも積雪となった。北陸自動車道で約1600台の滞留が発生するなど広範囲で長期間の交通障害が起き、北日本から西日本にかけて道路の通行止め、鉄道の運休、航空機・船舶の欠航など交通障害が発生し、秋田県や新潟県の広範囲で停電が発生した(気象庁。以下同)。

 2005年(平成18年)には、12月からの度重なる大雪により新潟県津南町の積雪は416cmとなった。積雪を観測している339地点のうち23地点で積雪の最大記録を更新(12月~3月)し、東日本と西日本で12月の平均気温が戦後最も低くなった。除雪中の事故や落雪・倒壊家屋の下敷きなどで死者152人・負傷者2145人と大きな被害を出し、家屋損壊や交通障害、電力障害などが各地で発生した。

 1981年(昭和56年)には、前年12月から日本海側や東北や北海道の太平洋側で大雪となり、全国的に低温の日が続き、着雪や強風による送電線切断や鉄塔倒壊のほか、漁船の遭難も相次いだ。高山や福井では積雪が100cmを超え、山間部では300cmを超えた。1月は全国的に気温が低く、日本海側では大雪となり、鉄道の運休などにより孤立する集落が多かった。死者133人、負傷者2158人。

 1963年(昭和38年)には、前年12月末から2月初めまで約1か月にわたり北陸を中心に東北から九州にかけての広い範囲で降雪が持続した。最深積雪は福井213cm、富山186cm、金沢181cm、伏木(高岡市)225cm、長岡318cmとなり、九州でも日田市39cm、阿久根市38cmなど平野部で積雪30cm、山間部では100cmを超えた。 鉄道は運休が相次ぎ、道路は除雪が追いつかず、多数の集落が孤立した。雪の重みによる住家や施設の倒壊が多く、通信障害や停電、農業被害が多く発生した。死者228人、負傷者356人。この大雪は「38(さんぱち)豪雪」として知られる。

 大雪に備えた道路環境の整備が進み、除雪専用の各種の重機が開発され、各地に多数が備えられるようになった現在だが、短時間での大量降雪には対応に限度があることは今年の帯広の降雪でも示された。日本列島の地理的位置からして大雪は今後も繰り返す。除雪オペレータの高齢化や熟練者不足が指摘されるが、降雪時には市街地での除雪重機の無人運転は機能しないだろう。

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