2025年2月1日土曜日

革命LOVE

 早期退職募集に応じて26年勤めた会社を退職し、気に入って毎年のように旅行に行っていた沖縄に移住して「のんびり暮らしている」という友人は、親しくなった人に誘われて米軍基地の移設反対などを主張するデモに1回参加したという。沖縄の平和運動の事情については詳しくないが、「平和は大事だ」という気持ちでデモに参加したそうだ。

 友人は若い頃、何の組織にも関わってはいなかったが、「民主主義は大事だ」とセクト色が希薄なデモには何度か参加したことがあった。就職してからは仕事に追われ、デモを見かけても参加しようなどと思わなくなっていたそうだが、二十数年ぶりのデモ参加に「行動しているという意識は活力につながるなあ」と友人。

 とはいえ、沖縄の平和運動に積極的に参画するつもりはなく、「強く誘われて、気が向けば行くかもしれないが。どうかな」と言い、友人は距離を保った関わりにとどめている。「政治的な組織とは関わりたくないから、平和運動は大事だろうが、深入りはしない」と、日々の沖縄での生活を大切にし、楽しむことを優先させる。

 昔から政治に無関心ではなかったという友人は自民党の政治に批判的で、国政選挙で必ず野党に投票することを続けていたが、「自民党が政権を担うという政治構造は変わらなかった」と嘆く。選挙に行ってもデモに行っても「この国の政治構造は何も変わらないんじゃないか」と落胆したことは何度もあったという友人だが、それでも変化をもたらす方法は投票しかないと選挙を重視する。

 選挙以外の方法で政治構造を変えることもできる。革命やクーデターなどのように強制力によって、それまでの権力者や政治家を排除し、新しい政治構造に移行させたり、首都などで大規模な街頭活動を人々が続けることで権力者を辞任に追い込み、民意に敏感な新しい権力者に交代させたりすることは各国で起きていた。

 友人は若い頃、財産も地位も持たない市井の人々による革命を夢想した。革命というと暴力を伴うことが多く、社会に混乱をもたらし、革命で権力を掌握した組織や人々による専制支配につながることが多く、民主主義の否定だと受け止められたりもする。友人は、財産も地位も持たない市井の人々による革命は民主主義における非常手段だと考えていた。

 友人は若い頃の革命の夢想を、デモに参加した後に飲み会で、酒の勢いもあってか周囲に座った若者たちに披露したが、反応は鈍く、革命という言葉に拒否感さえ漂ったという。「今の若者は政治的に成熟しているのか、既成の秩序に従順すぎるのか分からないが、日本の政治構造はまだまだ変わらなそうだ」と痛感した友人は革命の夢想を封印し、日々の沖縄での生活を大切にし、楽しむことを優先させることを再確認したそうだ。

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