ロシアのプーチン大統領は2022年、ウクライナ侵攻に関連して核兵器の使用を示唆して西側を威嚇した。24年にプーチン大統領は、首都モスクワへの通常兵器攻撃が行われた場合、核兵器の使用を検討するとし、ミサイルやドローンなどによる大規模なロシア領内への攻撃を察知した場合にも核兵器を使う可能性を検討すると述べた。
ウクライナはドローンなどによるロシア国内の燃料施設、軍事施設などや船舶に対する攻撃を繰り返し行っており、遠隔地の爆撃機基地に対する攻撃では計41機を破壊するなど大きなダメージを与えている。だが、ロシアは現在まで核兵器をウクライナに対して使っておらず、ドローンやミサイルを含む通常兵器に限定した反撃を行いつつ占領地の拡大を続けている。
ウクライナのロシア国内に対する攻撃に対してプーチン大統領が、核兵器使用を検討したのか、検討したが使用しないと決めたのか、検討しなかったのか-明らかではない。ロシアがウクライナに対して核兵器を使用しても、米国もNATOも核兵器による反撃は行わないだろう。核兵器による反撃が行われれば第3次世界大戦の始まりになる可能性が高い。
ロシアが核兵器を使用するとすれば、占領を目指す地域ではなく首都キーフなどだろうが、プーチン大統領は核兵器使用をためらう。その理由を推察すると、①ウクライナの被曝地の悲惨な状況はSNSなどで世界に拡散され、ロシアとプーチン大統領に対する批判が一気に高まる、②核兵器使用でロシアやプーチン大統領は道義的責任を問われる、③核兵器使用によりウクライナが降伏しても、ウクライナを統治する余力がロシアにはない、④ロシアに融和的だったトランプ政権の離反を懸念した-などか。
1945年に日本は連合国にとって「絶対悪」だったので核兵器使用による大量虐殺は不問にされたが、現在のウクライナは欧米諸国が支援する西側陣営の一部とされ、ウクライナに対する核兵器使用を欧米をはじめとする世界(ロシアとその従属国を除く)は重大視し、ロシアとプーチン大統領の責任を問うだろう。1945年以来、核兵器を保有する国は増えたが、1回も核兵器は使用されていない。現実に、核兵器は使用できない兵器となっていた。
政権で安全保障政策を担当する官邸筋が「核を持つべきだ」と記者団に述べたと報じられた。日本の核兵器保有は現実的ではないとも言っていたそうで、自己の見解を披露しただけのようだ。非核3原則があるので日本の核武装への道のりは遠いが、政権内から核武装に触れた発言が出てきたことで大きなニュースになった。
米国に頼らない日本の防衛を考えると、核武装論が出てくる。しかし、核兵器は使えない兵器だ。核兵器の惨禍を知っている日本で、核兵器を持ったとしても日本の指導者が他国に対して核兵器使用を決断できるのかは不明だ。強権統治を行っているプーチン大統領でさえ、核兵器使用をためらう。スターリンや毛沢東など自国内で数百万〜数千万人の死を容認したような独裁者でなければ、使用を命じることができないのが核兵器だ。
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