2025年の日本の平均気温が平年(20年までの30年間平均)を1.23度上回ったと気象庁。3年連続で平年を1度以上も上回り、1898年の統計開始以降で2025年は3位の高さだった。特に夏は全国的に記録的な高温で、北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美などで夏・秋の平均気温が観測史上1位を更新した。地球温暖化に加え偏西風の北寄りや太平洋高気圧の勢力強化などが重なったことが高温の原因とする。
全国で昨年の猛暑に「勘弁してよ」と思った人は多かっただろうが、人間は暑さには強い生き物だと研究者。人間は恒温動物であり、汗をかくこと(湿性放熱)で体温を調節することができ、50℃くらいまでの気温には耐えることができるという(気温が高くなるほど大量の汗をかくので大量の水分の補給が必要)。ただし、猛暑などで体内にこもった熱を、冷房や大量の汗をかくことなどで捨てなければ体温が上がりすぎて意識を失い、時には死に至る(熱中症)。
私たち現世人類(ホモ・サピエンス)は約20万年前にアフリカで誕生し、世界に広がったとされる。暖かだったアフリカでの生活に適応していた彼らは、移動した先はアフリカより気温が低かっただろうから、相対的な寒さを感じただろう。寒さに対応して熱を逃さない仕組みは人体には備わっておらず、着衣を工夫し、住居を作って寒さを凌いで現世人類は世界各地で生き延びてきた。
寒さは人体から熱を奪うので、恒温動物である人間は警戒する。皮膚には暑さを感じる温点と寒さを感じる冷点がある。皮膚で温点の密度は1〜6個/cm2だが、冷点は8〜23個/cm2とはるかに多く、人体は寒さを感じやすくできている(冷点は顔面に多く、下肢で少ない)。寒さを嫌うのは本能的なものと言えるが、人間は極寒の地にも生息地を広げた。
近年の猛暑にまいっている人が多いだろうが、夏が涼しい寒冷地への移住者が増えないのは、寒さが人体にとって厄介で、寒さを嫌うのは本能ともみなすことができるからか。報道では夏の猛暑や熱中症への警戒が呼びかけられ、猛暑にうんざりしている人々の様子が連日報じられるが、猛暑より寒冷地の冬の寒さのほうが人体には負荷となる。人間の深部体温は37℃前後に保たれているが、寒さで熱が体外に逃げるので、深部体温を維持するためには大量のエネルギーを消費する(暑い時も発汗などで大量のエネルギーを消費する)。
寒冷地に住む友人は、避暑を兼ねてか夏場には東京などからの訪問客が増えるが、冬場には誰も来ないと愚痴る。雪が降り積もった冬場こそ、ストーブを囲んで、じっくりと、あれこれ話すことができると言うのだが、誰も来ない。猛暑の夏場には、「こっちは涼しい。俺も移住したい」などと話す輩が珍しくないのに、移住してくる人は皆無で、冬場の雪や寒さを試そうと来る人もいないそうだ。
寒いといっても日本の寒冷地はアラスカやシベリアよりも気温は高い。様々な冬場の保温性が高い衣類が売られており、寒冷地の住宅は熱を逃さないように作られているので、多くの人々が寒冷地で暮らしている。移住したいと言った人に友人が聞いたところ、「寒いところは嫌だと妻が言うので〜」などと弁解されたという。電話を切った後、友人は「寒さに立ち向かう気力がない奴は無理だな」と呟いたそうだ。
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