2025年8月30日土曜日

大雨と治水

 今年は日本列島の北から南まで、あちこちで大雨に見舞われているようだ。気象庁は「大雨の年間発生回数は有意に増加しており、強度の強い雨ほど増加率が大きく」「1時間降水量80mm以上、3時間降水量150mm以上、日降水量300mm以上など強度の強い雨は、1980年頃と比較して2倍程度に頻度が増加」しているとする。

 さらに「全国の1時間降水量50mm以上の大雨の年間発生回数は、統計期間1976~2024年で10年あたり28.2回の増加」で、「全国の1時間降水量80mm以上の年間発生回数は、統計期間1976~2024年で10年あたり2.4回の増加」、「全国の1時間降水量100mm以上の年間発生回数は、統計期間1976~2024年で10年あたり0.5回の増加」とする。

 気象庁は豪雨を「著しい災害が発生した顕著な大雨現象」とし、大雨は「災害が発生するおそれのある雨」とする。集中豪雨は「同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨」とし、局地的大雨は「急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨」、強い雨は「1時間に20mm以上30mm未満の雨」、激しい雨は「1時間に30mm以上50mm未満の雨」、非常に激しい雨は「1時間に50mm以上80mm未満の雨」、猛烈な雨は「1時間に80mm以上の雨」とする。

 大雨は災害をもたらすことがある。増水した河川から水が溢れ、都市部で水没した道路を車が盛大に水飛沫を上げて走行する光景はニュース映像でお馴染みだ。また、土砂崩れにより家屋が損傷したり倒壊したり、道路が通行できなくなったり、河川の氾濫で住宅や農地が水没したりする。床下・床上の浸水も多く、人間には大雨に抗する術がない。

 大雨で大量の降水があった場合、地上に滞留する大量の水を可及的速やかに排水することが最優先だ。都市部なら、側溝などを大きくしたり、貯水地を増やしたり、河川を改修して深く広くしたり、排水用の人工河川の新設などが必要だ。地方なら、人が住んでいる住宅を浸水被害から守ることが最優先となり、川沿いの低地における居住を制限することも必要になる。

 都市部の下水道は「雨水流出率50%、降水量1時間当たり50mmに対応する計画が一般的だが、近年多発する集中豪雨の影響も加わって下水道への負荷は、その限界を超えることが多くなっている」(国交省)。降水量が50mm/時が珍しくなくなり、100mm/時も頻繁に発生している現状を考えると、都市部の排水能力の大幅な向上を急ぐべきだろう。

 大雨が増え、都市部では冠水した道路を走ることを車は余儀なくされ、地方では河川が氾濫する。国も自治体も降雨による水を治めることができていない。温暖化に伴い蒸発する蒸気量が増えるが、大気中に止めることができなくなった水蒸気は降雨となる。つまり大雨は今後も増え続ける。大雨対策を治水事業に組み入れ、まず都市部の排水能力を高めることが急がれる。

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